研究課題/領域番号 |
21H01206
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
阪口 基己 東京工業大学, 工学院, 准教授 (60452083)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | 液滴 / 流動 / 凝固 / 皮膜 / 変形 / 破壊 / 残留応力 / 溶射 / 材料力学 / 密着 / コーティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,溶射プロセスをモデル化した溶融パラフィンの滴下実験により,基材に衝突した液滴の流動・凝固・密着過程での残留応力の発達挙動を可視化するとともに,凝固した皮膜の割れや剥離といった破壊現象に滴下条件が与える影響を解明する.滴下実験の結果に基づき,液滴の流動・凝固挙動を粒子法により再現するとともに,凝固皮膜の変形・破壊のメカニクスを熱構造連成有限要素解析により定量化し,高強度な皮膜の実現を果たす最適滴下条件の提案に繋げる.
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研究成果の概要 |
溶融パラフィンを再現性よく滴下できる装置を製作し,液滴の流動・凝固・密着過程での残留応力の発達挙動を実測するとともに,凝固後の皮膜に発生する破壊現象と残留応力との関連を明らかにした.液滴の材質,液滴の温度,液滴の衝突速度,基材の予熱温度を実験変数とし,それぞれの影響をモデル実験により個別に抽出した.また,液滴の流動・凝固を流体シミュレーションにより再現するとともに,凝固・密着過程での変形破壊機構を熱構造連成有限要素解析により定量化した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,溶射プロセスをモデル化した溶融パラフィンの滴下実験により,さまざまな滴下条件が残留応力の発達過程に及ぼす影響を個別に抽出した.また,数値解析を援用して,それぞれの滴下条件が液滴の流動・凝固過程と皮膜の変形・破壊機構に与える影響を可視化しながら,優れた皮膜強度を生み出す最適滴下条件を模索した.本研究で考察した凝固皮膜の強度問題は,液滴の衝突と流動を扱う流体力学,凝固と熱移動を扱う熱力学,変形と破壊を扱う材料力学が絡んだ複雑な問題だったが,現象を可視化しやすいパラフィンの滴下実験と数値解析により,この熱/流体/構造連成メカニクスの体系的な理解が得られた.
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