研究課題/領域番号 |
21H01207
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
秋庭 義明 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (00212431)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | X線 / 回折法 / 高分子 / 非破壊 / 塑性変形 / 引張変形 / 高分子材料 / 変形損傷 / 回折 / 機械的性質 |
研究開始時の研究の概要 |
材料に荷重が負荷されると,荷重が小さい場合には弾性的に変形して,荷重を取り除くと元に戻るが,荷重が大きくなると,元に戻らなくなる塑性変形が進行する.さらに繰返しの荷重が作用する場合には,このような損傷挙動はより複雑になる.以上のような変形や損傷の拡大は,その後の材料の強度に大きな影響をおよぼすため,稼働中の構造物や,設計段階にある構造物の安全・信頼性を確保するためには,変形の程度を非破壊的に評価することが要求される.本研究では非破壊測定法として,広く用いられているX線法を用いて高分子材料の変形損傷を定量的に把握する方法を明らかにしようとするものである.
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研究成果の概要 |
結晶性高分子材料のPE,PEEK,PPの弾性状態での応力評価に適する回折面を,X線的弾性定数の観点から明らかにした.また,PE,PP,POMの引張塑性変形材においては,X線の回折強度,回折線幅,およびX線的弾性定数が塑性ひずみに依存することを明らかにし,変形方向からの角度に対する分布から塑性ひずみが推定できることが示唆された.プラスチックはX線が深くまで侵入するが,侵入深さ一定法を用いることによって,極表層のX線情報を抽出し,局所化された損傷を評価した.さらに,疲労破面にX線法を適用し,応力比および最大応力拡大係数を,回折強度や回線プロファイルの幅から推定できることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SDGsの取組み,特に天然資源管理や気候変動対応の観点から,軽量化に対する要求が増しており,高分子材料への期待が大きい.実用に際して,材料の変形損傷の程度を把握することは,製品の安全使用に不可欠である.本研究では,X線法を用いてそれを可能にし,特に機械加工等によって局所化された領域の変形の程度が,侵入深さ一定法によって評価できたことは有用である.さらに,疲労破壊に対して,X線フラクトグラフィーが適用できることが示され,今後の事故原因解明に有効な評価ツールとして期待できる.
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