研究課題/領域番号 |
21H01211
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 九州大学 (2023) 大阪大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
近藤 俊之 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70735042)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | 材料強度学 / ナノ材料 / 薄膜 / 塑性変形 / 破壊 |
研究開始時の研究の概要 |
寸法が数μmからサブμmオーダーとなる微小金属材料の強度は寸法に依存するが,その強度発現機構は未解明である.これを解明するためには,巨視的な破壊の機構・強度と,材料内部の損傷の初生・発達過程を含めた微視的なスケールにおける変形・破壊の素過程との対応関係を解明する必要がある.本研究では金属薄膜を対象として,材料表面と材料内部のその場ナノ観察力学試験技術を確立して変形・破壊の巨視的・微視的過程の解明を実現して,破壊機構と強度の寸法効果の発現機構を明らかにする.
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研究実績の概要 |
寸法が数μmからサブμmオーダーとなる微小金属材料の強度は寸法に依存するが,その強度発現機構は未解明である.これを解明するためには,巨視的な変形・破壊の機構・強度と,材料内部の損傷の初生・発達過程を含めた微視的なスケールにおける変形・破壊過程との対応関係を解明する必要がある.本研究では金属薄膜を対象として,材料表面と材料内部のその場ナノ観察力学試験技術を確立して変形・破壊の巨視的・微視的過程の解明を実現して,破壊機構と強度の寸法効果・微視組織効果の発現機構を検討する.本年度は以下の課題に取り組んだ. (1) 微小試験片の単軸引張試験による塑性特性評価: 膜厚が100 nmと500 nmで,結晶粒径を制御した自立銅薄膜微小試験片に対するその場電界放射走査型電子顕微鏡(FESEM)観察単軸引張試験を実施し,各膜厚の薄膜の塑性特性に及ぼす結晶粒径効果について検討した. (2) 大面積薄膜試験片による破壊じん性評価: 膜厚が100 nmと500 nmで,結晶粒径を制御した大面積自立銅薄膜に対するその場FESEM観察破壊じん性試験を実施し,強度と微視的破壊過程の膜厚および微視組織の依存性を検討した. (3) 大面積薄膜試験片による疲労き裂進展特性評価: 膜厚が500 nmで,結晶粒径を制御した大面積自立銅薄膜に対するその場FESEM観察疲労き裂進展試験を実施し,疲労き裂進展特性および機構に及ぼす結晶粒径依存性を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は微小試験片に対する引張試験による弾塑性特性および微視的変形過程の評価と,大面積薄膜におけるき裂発生・進展機構と強度特性に及ぼす膜厚・微視組織依存性の検討を行った.膜厚と粒径を制御した銅薄膜を対象として,微小引張試験片に対する単軸引張試験を遂行して機械的特性に影響を及ぼす膜厚効果と結晶粒径効果を検討した.また大面積薄膜に対する破壊じん性試験と疲労き裂進展試験を実施し,特にデジタル画像相関法の適用による破壊領域近傍の微視的変形の定量化およびき裂進展過程の透過電子像観察について検討を行い,薄膜の微視的な変形・破壊過程について考察した.
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今後の研究の推進方策 |
自立金属薄膜におけるき裂発生・進展機構と破壊強度の発現機構の解明のために,引き続き面内寸法がmmオーダー,厚さが100 nm~500 nmの自立銅薄膜を対象とする破壊じん性試験および疲労き裂進展試験を実施する.き裂先端前方の破壊進行領域における微視組織と微視的な変形・破壊過程の評価およびその支配力学量の解明を主な遂行課題とし, FESEMによる表面像と透過像のその場観察および破壊後観察,電子線後方散乱回折(EBSD)解析による微視組織評価,デジタル画像相関法による微視的な変位・ひずみの評価を行い,破壊進行域内での微視的破壊の発生から巨視的破壊へと至る過程とその支配力学の検討を行う.
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