研究課題/領域番号 |
21H01212
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
磯野 吉正 神戸大学, 工学研究科, 教授 (20257819)
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研究分担者 |
菅野 公二 神戸大学, 工学研究科, 教授 (20372568)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 半導体ナノワイヤ / 表面ポテンシャル / ピエゾ抵抗効果 / 半導体ナノ細線 / 電気伝導特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光電効果を用いたAl2O3絶縁シェル層への電子注入によって任意に表面電位が制御された『コア-シェル構造SiNW』を新開発し、弾性歪みと同絶縁シェル層の固定電荷密度によって変調された表面電位との相互作用がSiNWのピエゾ抵抗効果に及ぼす影響を定量評価する。とくに、弾性歪み、表面電位、不純物濃度の3つの因子を系統的に変化させながら、ゲージ率の制御性とピエゾ抵抗効果の増大化メカニズムを解明する。これにより、コア-シェル構造SiNWを検出素子とした高感度・超小型機械量センサの設計指針を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究は、結晶成長シリコンナノワイヤ(Silicon Nanowire:SiNW)を検出素子とした高感度・超小型機械量センサの実現を目指して、『コア-シェル構造SiNW集積モノリシック型ナノ曲げ試験デバイス』を新開発し、コア-シェル構造SiNWの力学特性を評価するとともに、弾性歪みと表面電位の相互作用がSiNWの歪み誘起電気伝導特性(ピエゾ抵抗効果)に及ぼす影響を解明していくことを目的とする。具体的には、新たに原子スケール絶縁シェル層で被覆されたSiNWを集積したナノワイヤ物性評価専用MEMSデバイスを開発し、絶縁シェル層を介した表面電位制御の下で、SiNWの力学特性とピエゾ抵抗効果を同時かつ高精度に評価していくものである。 第2年度に当たる令和4年度は、「SiNW集積ナノ曲げ試験デバイスの試作」と「Al2O3シェル層のSiNW上への成膜とピエゾ抵抗の表面ポテンシャル依存性」を目標に実験を実行した。前者では、SOIウエハから成る曲げ試験基板上にリソグラフィ技術を用いてトレンチ構造を設けるとともに、VLS法によって同トレンチ側壁間を架橋するように、SiNWを結晶成長させることに成功した。後者では、ALD法によって負に帯電したAl2O3シェル層でSiNWを被覆し、シェル層の有無によってピエゾ抵抗係数が変化することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の想定に反し、試作したSiNW集積ナノ曲げ試験デバイスにおける部品構造では、当初予定していた引張歪みをSiNWに付与することができないことが判明した。このため、計画を見直し、SiNW集積ナノ曲げ試験デバイスにおける部品を改良設計、製作したうえで試験を一部やり直して実施する必要が生じた。この結果、研究進捗が遅れることになった。一方、部品構造の見直しの結果、曲げ試験における課題は解消された。
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今後の研究の推進方策 |
SiNWへのAl2O3シェル層形成途中で光電効果による電子照射を行い、Al2O3の固定電荷密度を変化させる。これにより、表面ポテンシャルの異なるSiNWに対して、ピエゾ抵抗係数を評価することが可能となる。このように、帯電量を制御した種々のAl2O3層のSiNWへの被覆によって、弾性歪みと表面電位の相互作用がSiNWのピエゾ抵抗効果に及ぼす影響を解明していく。
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