研究課題/領域番号 |
21H01236
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中野 健 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (30292642)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 摩擦則 / 静摩擦 / 動摩擦 / 固着 / すべり |
研究開始時の研究の概要 |
固体の接触面に作用する摩擦力には、静摩擦と動摩擦という二種類が存在すると言われている。しかし、相手面に固着して静止しているかのように見える物体であっても、実は極めて低速な運動(低速クリープ)が認められるという実験報告がいくつも存在することから、静摩擦の存在は学術的に立証されていない。そこで本研究では、「静摩擦とは何か?」という学術的問いのもと、低速クリープをともなう固着現象を合理的に記述する摩擦則の構築を目的として、研究代表者がその重要性を発見した面内ミスアライメントという幾何学的概念を物理モデルに導入し、理論、実験、数値解析により国際共同研究を推進する。
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研究成果の概要 |
著名なクーロンの研究以後、固体の接触面に作用する摩擦力には、静摩擦と動摩擦と呼ばれる二種類が存在すると言われている。しかし、対向面に固着して相対的に静止しているように見える物体の相対速度を精密に計測すると、実は極低速で運動しているとの報告が複数あり、静摩擦の存在は必ずしも学術的に立証されていない状態にある。そこで本研究では、低速すべりをともなう固着現象を合理的に記述する摩擦則の構築を目的として、理論と実験と数値解析による国際共同研究を推進した。その結果、二種類の理想系(剛接触系と柔軟接触系)において、低速すべりをともなう疑似的な固着モード(動的固着モード)が発現する合理的なシナリオを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、自然法則の一つとして高校の物理にも登場する「クーロンの摩擦則」の一般常識を覆し、これまで「固着=静摩擦」という先入観に基づき曖昧に理解されてきた摩擦現象を根本から見直すべきであることを示唆している。固体摩擦理論の原理原則の再構築を通して、固体摩擦が関与する広範な分野の科学と技術の中に、新たな潮流を生み出すことが見込まれる。
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