研究課題/領域番号 |
21H01248
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 東京大学 (2023) 京都工芸繊維大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
渡村 友昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (40777736)
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研究分担者 |
小笠原 紀行 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00552184)
大友 涼子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (00726862)
杉山 和靖 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (50466786)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 混相流 / 気泡 / 濃度 / 多体干渉 / 集団性 / 溶解 / 粒子 / 多対干渉 |
研究開始時の研究の概要 |
流体中に分散した無数の粒子や気泡など密度差をもつ分散体が重力に従って運動するとき,傾斜容器内部で生じる清澄分離に起因した容器規模の大規模な密度差対流が生じ,分散体の粗密分布構造が現れる.現象を清澄部と懸濁部を不混和二流体と近似することで,清澄部の流動不安定を評価できる.しかし,懸濁液の連続体近似に関する数理的な理解不足により,実験結果から流動場を事後評価することしかできていない.本研究は懸濁液中における密度流の出現に着目し,連続体と離散体の力学モデルを構築することで,清澄層の形成と非定常流動や三次元流動への遷移を希薄限界と関連付けて説明する.
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研究成果の概要 |
粒子や気泡が懸濁した流体中では,多数の分散体が集団的な分布が模様を作る.模様の発生は流体力学的不安定と気泡間距離により決まる.しかし,この運動はギネスビールの様な小さな気泡を含む飲料にのみで見られるが,その理由は不明である.本研究は,流動不安定の発現を事前予測できる数理モデルを提案した.数値計算を行い,モデルの妥当性を検証した.分散体の直径と量,容器の傾斜角度を変化させ,不安定流動の発生を調査した.数値モデルにより流動不安定を良好に予測できることを世界で初めて示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分散体と連続相との間に生じる密度差対流は,化学反応装置や曝気槽内部に生じるため工学的に重要な現象であるが,密度差対流の不安定発生条件や分散体相変化の影響が不明であり,流動の制御が不可能であった.本研究では数値計算により流動不安定の発生条件を予測した.また,清澄分離のモデル化からも流動のスケーリング則を提案し,不安定の発生臨界を代数的に推定できることを世界で初めて示した.この結果は,Review of Modern Physicsにて紹介されたため,当該研究分野にインパクトを与えるものと言える.今後,本研究成果と,閉空間内における分散体の成長を考慮することで,現象理解が進むことが期待できる.
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