研究課題/領域番号 |
21H01254
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田部 豊 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80374578)
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研究分担者 |
植村 豪 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (70515163)
境田 悟志 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (40816170)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 熱工学 / 燃料電池 |
研究開始時の研究の概要 |
固体高分子形(PEM)電池内でナノからサブミリスケールまでの一貫したマルチスケール水・酸素輸送促進を実現する電池構造、運転手法を明らかにする。まず、これまで個々に評価されてきた電池内の様々なスケールの輸送現象が電池性能に及ぼす影響を分離して解析可能な手法を開発し、相互影響も考慮しながらの一貫した評価を可能とする。さらに開発済みの独創的な解析・実験手法を組み合わせ、数十マイクロスケールの多孔体であるガス拡散層内の凝縮水排出の高度化、マイクロポーラス層とナノスケール触媒層内の凝縮水滞留抑制手法の確立、さらには酸素を極限まで有効に利用する触媒層構造の提案を行う。
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研究実績の概要 |
固体高分子形燃料電池内のナノからサブミリスケールまで、触媒層からガス拡散層までの一貫したマルチスケール水・酸素輸送促進を実現する電池構造、運転手法を明らかにすることを目的とし、酸素輸送抵抗の分離手法の確立およびそれぞれのスケールの輸送抵抗低減のための検討を行った。主な成果を以下にまとめる。 1.前年度に確立した電池内のマルチスケールの凝縮水がそれぞれ酸素輸送損失に及ぼす影響を分離して評価できる手法を用い、セル温度および供給ガス湿度が、凝縮水滞留と酸素輸送抵抗の増大に及ぼす影響を定量的に明らかにした。 2.ガス拡散層内のリブ下から流路への凝縮水排出を促進するために、ナフィオンのスプレー塗布をリブ下ガス拡散層表面のみに限定する手法を確立した。さらに、ガス拡散層内から表面への排出とガス拡散層表面からのセル外への排水の両者をバランスよく効率的に実現する重要性を明らかにした。 3.触媒層とマイクロポーラス層の界面からの滞留水排出を期待し、マイクロポーラス層に大細孔を付与する構造を検討した。マルチスケール酸素輸送抵抗の分離評価、および凍結固定化法とクライオSEM観察の結果、大細孔付与は界面の凝縮水排出ではなく、マイクロポーラス層内の凝縮水分布の改善に主に効果があることを明らかにした。これにより、低温・高湿度条件でのフラッディングの影響を軽減することが可能であることを示した。また、親水性と疎水性のハイブリッドマイクロポーラス層を試作し、その改善効果を確認した。 4.グラフェンを用いた電解質を使用しないアイオノマーフリーの触媒層をエレクトロスプレー法により作製し、超低白金でも高い発電性能が達成できることを示した。さらに、白金量を増やして性能向上を実現するために、触媒層厚み方向のプロトン伝導を賄うナフィオン骨格構造の試作もエレクトロスピニング法を用いて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的に則した実施計画通りに研究を進めることができた。特に、確立した酸素輸送抵抗の分離手法を用い、水管理能力の向上がセル内のマルチスケール部材のどの部分で実現できているかを、凍結固定化法とクライオSEM観察を合わせて定量的に評価可能であることを示せた。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに、ガス拡散層内の凝縮水排出を促進する方策の検討を進め、実際の電池での発電性能を実現する。また、マイクロポーラス層については、より効果を高めることが示唆された親水性と疎水性のハイブリッド構造を発展させていく。触媒層については標準的なアイオノマーを用いた場合の構造最適化とともに、グラフェンアイオノマーフリー触媒層の構造最適化の検討も行う。
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