研究課題/領域番号 |
21H01263
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 熊本高等専門学校 (2022-2023) 九州大学 (2021) |
研究代表者 |
高松 洋 熊本高等専門学校, 熊本高等専門学校(八代キャンパス), 校長 (20179550)
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研究分担者 |
藏田 耕作 九州大学, 工学研究院, 教授 (00368870)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | マイクロ伝熱 / スケール効果 / 気体 / 希薄性 / 対流発生限界 / 微小伝熱面 / 対流熱伝達 / 高クヌッセン数 / 自然対流 / 熱伝導 / 気体への熱伝達 / 微小物体 |
研究開始時の研究の概要 |
MEMSセンサが様々な用途で用いられるようになって久しいが,発熱体として気体中で用いられる場合,センササイズが分子の平均自由行程のオーダーに近づくと希薄性の影響が現れるようになる.また,センサが小さくなると自然対流の影響を受けず熱伝導のみに支配される.したがって,用途に応じて最適なセンサの大きさを決定するには,その境界を明らかにしておく必要がある.本研究では,微少液体サンプルの熱伝導率測定のために考案したマイクロビームMEMSセンサを用い,微小伝熱面から気体への熱伝達に関するミクロとマクロの境界,すなわち気体を連続体として取り扱える境界,および自然対流の影響を受けない境界を明らかにする.
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研究実績の概要 |
長さ9.4ミクロン,幅0.4ミクロン,厚さ40ナノメートルの白金薄膜マイクロビームセンサを恒温槽内に設置した密閉容器に封入した気体中で通電加熱しセンサ温度を測定した.実験は,アルゴン,窒素,ネオン,ヘリウムの4種類の気体に対して圧力0.1 mPa~1 MPaの範囲で行った.センサの温度上昇は圧力の低下すなわち真空度の上昇とともに大きくなり,希薄性の影響が現れた.センサ温度上昇の解析値(予測値)と測定値の比をクヌッセン数Knの逆数(代表寸法:センサ幅)に対して示すと,希薄性の影響が現れ始める限界は明らかになったが,温度上昇にはセンサ部の温度上昇に加え希薄性の影響を受けないと考えられるセンサ根元のオーバーハング部の影響も受けるという問題の解決が必要となった.そこで,希薄性の影響をセンサと気体の間の界面熱抵抗,すなわち表面熱抵抗として取り扱うことにし,この表面熱抵抗をパラメータとした熱伝導シミュレーションを行った.そして,各気体に対するセンサ温度と表面熱抵抗の関係を用いて,温度上昇の測定値と一致する表面熱抵抗を各実験に対して決定した.その結果,解析に用いた無次元表面熱抵抗Aが気体の種類に依らず圧力の低下とともに上昇するという結果が得られ,希薄性の影響を定量的に表すことができた.さらに,表面熱抵抗と気体の熱伝導抵抗の比に相当するKA(Kは流体とセンサの熱伝導率比)をKnの逆数に対して示すと,気体の種類にかかわらず一つの曲線で表せることが明らかになり,自立薄膜センサから気体への熱伝達に及ぼす希薄性の影響を,普遍的,定量的に表すことに成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
気体への熱伝達に対する希薄性の影響を表面熱抵抗として表すという新しいアイデアを導入し,希薄性の影響を気体の種類によらず表すことができたので,研究は予定どおり進展している.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は,自然対流に及ぼすセンササイズの影響について検討する.令和4年度に自然対流のシミュレーションの準備を行ったので予定通り研究が進むものと期待している.本研究を難しくしている原因は,希薄性の影響の検討の場合と同様,センサ根元に形成されたオーバーハングの存在にある.この大きさは作成するセンサごとに異なるため,センサ諸元のパラメータが多すぎる.したがって,自然対流の影響については,まずはオーバーハングがないと仮定した理想的な状態に対してシミュレーションを行うことにする.そして,球まわりの自然対流熱伝達の整理を参考にした検討を行い,自然対流の影響を無視できる限界を求める.その後,オーバーハングの影響を明らかにする予定である.
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