研究課題/領域番号 |
21H01265
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
矢吹 智英 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (70734143)
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研究分担者 |
Shen Biao 筑波大学, システム情報系, 助教 (80730811)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 沸騰熱伝達 / 高速度赤外線カメラ / 人工発泡点 / ミクロ液膜 / 対流熱伝達 / マクロ液膜 / 界面活性剤 / 熱伝達機構 / 数値計算 / 三相界線 / MEMSセンサ |
研究開始時の研究の概要 |
MEMS熱流束センサを用いた固気液三相界線の局所熱流束の直接計測と高速度赤外線カメラを用いた沸騰時の壁面熱輸送場の高速可視化に,沸騰の直接数値計算,深層学習を援用する研究プラットフォームにより,沸騰熱伝達のマルチスケールモデリング,沸騰の大規模直接数値計算の実現に資する知見を獲得する.
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研究成果の概要 |
高速度赤外線カメラと人工発泡点を用いた水の飽和プール実験により,広範な発泡点密度条件で,面積占有率が大きい対流熱伝達が壁面熱輸送を支配していることが明らかになった.少なくとも今回用いた界面活性剤種,濃度においては,界面活性剤添加による熱伝達促進はミクロ液膜面積の増大によるもので,ミクロ液膜面積の増大は気泡軟化(表面張力低下),気泡合体抑制,気泡スライド運動のためとわかった.新たに開発した薄膜積層型熱流束センサを用いて,2ミクロンの空間分解能でFC-72の沸騰における三相界線近傍の熱流束を計測した結果,三相界線がセンサ上を通過する過程で0.6MW/m2を超える高い局所蒸発熱流束が計測できた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で明らかにした各種伝熱素過程の総熱輸送量への寄与は,電子機器の冷却などに用いられる沸騰伝熱面の開発において有用な知見である.例えば,ミクロ液膜蒸発が極めて高い局所熱伝達率をもつ一方で面積占有率が小さいために総熱輸送量への寄与が小さかったことを踏まえると,表面の微細構造化や濡れの制御等でミクロ液膜蒸発を促進して全体の熱伝達率を向上させるアイデアが生まれる.界面活性剤水溶液に対する試験では,界面活性剤の添加がミクロ液膜面積を増大させ,それが熱伝達促進につながっていることが明らかになった.
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