研究課題/領域番号 |
21H01295
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
永谷 直久 京都産業大学, 情報理工学部, 准教授 (10636418)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 腹側行動計測 / 動態解析 / 節足動物 / DeepLabCut / Computational ethology / 行動計測 / 運動補償装置 / 腹側計測 / Computational Ethology |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、球殻内に撮像素子およびアクチュエータを配した全方向運動補償機構を有した行動計測装置を開発し、腹側からの定点観察を実現する。さらに、開発した計測装置を用いた行動計測実験を行い、節足動物の脱皮前後の歩様変化や、環境からの刺激に対する腹側の身体的反応の解析を行う。以上の実験を通して、同種内および身体性の異なる種内・種間での身体動作特性と歩行軌跡を比較し、何が普遍でどの身体部位の動きが最も異なるのかという行動における普遍的動作の特定と生理指標の抽出を行う。
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研究実績の概要 |
本年度の主要な実績は2つある。まず、昨年度開発した運動補償を伴う腹側からの行動計測装置(ANTAM-Q)の光量・光源位置問題を改善したことである。次に、オカダンゴムシを対象とした計測結果から、各付属肢の運動の周期性や連動性に関する予備解析を行ったことである。 光量・光源位置問題を改善したことにより、検背側カメラによる運動補償をさらに安定して実現できるようになり、かつ腹側カメラから撮影したオカダンゴムシの足がさらに明瞭に撮影できるようになった。そのため、これまでの4KやFull HDの解像度より低解像度の動画像データに対しても、DeepLabCutによる安定した解析ができるようになった。また、同一個体内や異なる個体間での学習モデルによる推論精度を検証し、DeepLabCutの設定の調整を行った。 この進展を基に、自由行動下で撮影したオカダンゴムシの動画データから、各付属肢(歩脚)の運動の周期性と他の付属肢との連動性の評価を試みた。評価は対象身体部位の位置情報の時系列データに対する自己相関を求めて行った。その結果、オカダンゴムシの各付属肢の動きには一定の周期性が認められた。これは、直線的に移動している間に顕著であった。また、各脚の運動間に明確な連動性が存在するかの検証を行った。その結果、異なる脚の動きの間に連動性が見られる区間もあったが、アリなどの昆虫に見られる対称歩容を示す訳ではないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度開発した腹側からの行動計測装置の改善を行い、オカダンゴムシの生体を用いた歩行時の脚部の連動性の評価に関する基礎検討を行うことができた。 未解決の課題としては、映像データの一部がロストする問題と、全データに対する運動解析が未完了であることが挙げられる。これらの問題の解決に向けた取り組みを、次年度の目標としている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、まず、運動補償による鉛直上方からの定点観測と腹側観測を両立した計測システムの開発と最適化を行い、自由行動下での節足動物の安定した動態解析を実現する。次に、開発した計測システムを用いて、節足動物の自由行動下での腹側からの動画像を収集し、これらの動画像を対象にDeepLabCutを用いた腹側から観察できる身体部位の網羅的な動態解析手法を開発・確立する。収集する動画像のデータサイズや、画像のコントラスト比などを複数の条件で学習し、最適化を図ることで、データ量の低減と学習コストの低減を目指す。さらに、萌芽的な試みとして複数の小型カメラを3次元的に配置した多視点同時撮像系を構築し、体長が20mm程度以下の生物のための立体スキャンシステムの開発に着手する。 以上の研究実施計画により、節足動物の自由行動下での腹側からの動態解析手法が確立され、生物の動態解析技術全体の進展に寄与することが期待できる。また、立体スキャンシステムの開発により、節足動物の3次元形態情報のデータベース構築を充実させることができる。
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