研究課題/領域番号 |
21H01310
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
竹下 隆晴 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70171634)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | パワーエレクトロニクス / DC-DCコンバータ / 高周波絶縁 / 電力変換器 / 充電器 |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能な開発目標 (SDGs) に向けて,直流電力供給システムや電気自動車などの新たな開発が進められる。直流配電における電力変換器やガソリン車の給油時間と同程度の充電時間とする急速充電器などにおいては,安全性を確保した高周波絶縁型の大容量高効率DC-DCコンバータの開発が必要になってくる。本研究では,簡単な回路構成でありながら,高効率化のためのソフトスイッチングを実現する高周波絶縁型DC-DCコンバータとしてAPBコンバータを提案し,理論と実験により制御法と特性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
持続可能な開発目標 (SDGs) に向けて,直流電力供給システムや電気自動車などの新たな開発が進められる。直流配電における電力変換器やガソリン車の給油時間と同程度の充電時間とする急速充電器などにおいては,安全性を確保した高周波絶縁型の大容量高効率DC-DCコンバータの開発が必要になってくる。本研究では,高周波絶縁型単方向SR-SABコンバータ(Secondary-Resonant Single-Active-Bridge DC-DC Converter)を提案する。SR-SABコンバータは,一次側回路はアクティブなHブリッジ回路で,二次側は小容量キャパシタを並列接続したパッシブなダイオード整流回路でそれぞれ構成され,さらに損失を低減するソフトスイッチングを実現できる点に大きな特徴がある。SR-SABコンバータの出力電力制御および応用回路として,具体的に以下の3項目を実施している。 1.高周波トランスの周波数制御による出力電力制御の確立では,SR-SABコンバータの高周波トランスの周波数を変化させる出力電力制御法において,出力電力範囲に応じた入出力電圧,周波数制御範囲,トランス巻数比,インダクタンスなどの設計を明かにした。実験により電力特性を確認した。 2.一次電圧波形制御による出力電力制御法の確立では,SR-SUBコンバータの一次電圧波形の零電圧期間を変化させる出力電力制御において,零期間と出力電力の関係を導出した。さらに,高速な出力電力制御を実現するための零期間の制御法を提案し,実験により基本特性を確認した。 3.大電力のための三相SR-SABコンバータ回路と制御法の確立では,三相回路構成について検討した。三相トランスのΔ-Y結線で三相SR-SABコンバータの理論解析をし,高周波電圧の周波数制御による電力制御法を提案した。周波数による電力制御特性を実験で確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1.高周波トランスの周波数制御による出力電力制御の確立では,計画通り,設計,シミュレーション,実験まで実施できている。安定始動の課題が見つかり次年度に取り組む予定である。 2.一次電圧波形制御による出力電力制御法の確立では,当初計画の電力制御は実験まで進み,当初計画にない高速な電力制御理論を導出し,基礎実験までできたので,当初計画以上に進展した。 3.大電力のための三相SR-SABコンバータ回路と制御法の確立では,当初計画のΔ-Y結線の理論とシミュレーションは終了し,当初計画以上に実験まで実施できている。 以上により計画以上に研究を推進でき,さらに,今年度の成果として2編の学術論文と3編の口頭発表をしており,「当初計画以上に進展している。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的に示した3項目について次の通り具体的に計画をしている。 1.高周波トランスの周波数制御による出力電力制御法の確立では,安定な始動方法を提案し,シミュレーションおよび試作システムによる実験により,提案法の有効性を検証する。 2.一次電圧波形制御による出力電力制御法の確立では,SR-SABコンバータの出力電力制御法として,一次電圧波形の零電圧期間を変化させる方法を提案している。高速な出力電力制御法のためのスイッチング制御および過渡応答の実験検証をする。 3.大電力のための三相SR-SABコンバータ回路と制御法の確立では,提案SR-SABコンバータの三相回路構成について検討する。Y-Y結線およびΔ-Y結線の三相トランスの結線のそれぞれの特徴を明確にする。結線法による各回路の特徴をシミュレーションおよび実験特性からまとめ,各回路に適した用途を明確にする。
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