研究課題/領域番号 |
21H01321
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
廣川 二郎 東京工業大学, 工学院, 教授 (00228826)
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研究分担者 |
西森 健太郎 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90500611)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2021年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | アンテナシステム / ミリ波 / 多重伝送 / 極性直交性 / 直角座標系 |
研究開始時の研究の概要 |
マジックTを有する2次元モノパルス回路動作モードの直角座標系2次元極性直交性と2偏波共用化により非遠方界領域で最大32多重伝送アンテナシステムを60GHz帯で実現する。マジックTが持つ構造対称性により極性の周波数依存はなく,並列給電回路により比帯域約15%広帯域が実現できる。積層薄板拡散接合により中空多層構造が低損失で実現できる。送受信モジュール最大32セットを用いて多重化による伝送容量の増加を実現する。送受信の位置誤差等によるモード間の直交性の崩れを簡易な信号処理により補正する。補正効果により理想時からの伝送容量劣化を2%以内に抑える手法を実ハードウエアで検証する。
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研究実績の概要 |
(a)アンテナ…並列給電導波管スロットアンテナの構造簡素化の1つとして,リッジグルーブギャップ導波路を用いた非接触並列給電により,8x8素子の側壁装荷型磁電ダイポールアンテナを検討した。金属ピラーの周囲に側壁を装荷して広帯域化を実現した。リッジギャップ導波路とE面グルーブギャップ導波路を組み合わせて給電層を構成し,低損失とギャップ導波路間のアイソレーションを向上させた。製作の都合上,Qバンド(33GHz-50GHz)で設計,試作した。反射が-10dB以下の帯域幅は,34.5~49.4 GHzにおいて35.9%に拡大した。また,34.3 GHzから34.7 GHzおよび35.6 GHzから48.7 GHzにおいてアンテナ効率は75%以上となり,帯域幅は32.5%となった。 (b)伝送特性…60GHz帯において2次元モノパルス並列給電導波管スロットアレーと高速近接無線モジュールを組み合わせた2多重QPSK伝送実験を行った。誤り訂正でエラーフリーとなるBERを10^-3としたときのSNR9.8dB以上となる2つのポートにおける入力電力比の範囲は,送信ポートの固定減衰器が10dBの場合には25dB,20dBの場合には30dB,30dBの場合には15dBとなった。60GHz帯での空間多重が伝送できることが実ハード上にて確認した。 (c)信号処理…直角座標系直交多重伝送の劣化を信号処理により補正する手法を修得した。ROM伝送の応答は理想的に既知であることと,補正用の送信信号を用意することで受信信号からポート間の振幅・位相誤差を逆行列計算により算出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(a)アンテナ…16多重伝送用アンテナの進捗が当初より遅かったため,2022年度に実施予定であった構造簡素化構造の検討を先に行うこととした。定在波抑圧型の検討は行えなかった。 (b)伝送特性…伝送特性測定に必要な60GHz帯送受信モジュールが2セットしか借用できなかったため,当初の4多重伝送の代わりに2多重伝送を行った。 (c)信号処理…当初の分担者が2022年1月に急逝したため,分担者が担当していた部分を今後どのように行っていくかの検討が必要になった。
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今後の研究の推進方策 |
(a)アンテナ…16多重伝送用アンテナの進捗状況を確認し,その結果に基づき進捗を早める方策を検討することとした。 (b)伝送特性…伝送特性測定に必要な60GHz帯送受信モジュールがいつ,いくつ借用できるかを事前調査し,その結果に基づき測定計画を立てることとした。 (c)信号処理…分担者が担当していた部分については代表者が行うこととした。信号処理手法の修得,信号処理プログラムの作成を進めることとした。
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