研究課題/領域番号 |
21H01330
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
遊部 雅生 東海大学, 総合科学技術研究所, 教授 (60522000)
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研究分担者 |
山口 滋 東海大学, 理学部, 教授 (40297205)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 光通信 / 大容量 / 広帯域 / 光増幅 / 波長変換 / 光パラメトリック / ガス分光 / センサ / 光増幅器 / パラメトリック増幅 |
研究開始時の研究の概要 |
光通信の大容量化に資するため、光ファイバの伝送損失が小さい1300nm-1800nmの波長を増幅可能な新規光増幅器を研究する。周期分極反転LiNbO3(PPLN)導波路の構造を工夫し、複数波長で位相整合可能なマルチQPM素子を用いて、通信波長帯レーザの第2高調波発生(SHG)による励起光の発生と光パラメトリック増幅を1つの素子で実現し、コンパクトかつ安定な光増幅器を構成する。波長帯の拡大により、伝送容量の大幅な拡大が期待される。また、光通信用の波長可変レーザを任意の波長へ変換し、環境ガスの近赤外波長域における吸収スペクトルの高分解能測定を実現することで、環境ガスのセンサー開発にも貢献する。
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研究成果の概要 |
非対称な位相整合特性のマルチQPM素子にSH光用ミラーを設けた反射型のモジュールを用いて励起光発生と信号の増幅を1つの素子で実現した。さらに変調信号光の増幅を試み、単一の素子を用いたOPAにおいて光通信に適用可能な信号品質が得られることを始めて実証した。また、EDFAの帯域外のOPAを用いて光ファイバの損失を補償して中継伝送を始めて実証した。Sバンド信号を中継増幅し、中継後はLバンド帯アイドラ光を伝送することで位相共役効果による分散補償の効果を実証した。さらに中継増幅後のSバンド信号を再び伝送する構成についても検証し、適切な分散補償を併用することで伝送距離の延伸を始めて実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年通信分野の情報トラフィックはIoTなどの普及により目覚ましい勢いで増大しており、通信インフラを支える光通信の大容量化が急務となっている。現在の光通信システムの周波数帯域は中継器に用いられるEDFAの帯域で制限されているが、本研究の成果はこの制限を取り払い、光ファイバの低損失帯域である1.3-1.8μmでの帯域での中継増幅を用いた伝送の可能性を拓くものであり、光通信の広帯域化による大容量化を実現するうえで大きな学術的、社会的意義がある成果が得られたと言える。また本研究成果を利用して炭化水素系ガスの1.7-1.8μm帯の吸収スペクトルの計測も実現され、ガスセンシングの分野の発展にも貢献できた。
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