研究課題/領域番号 |
21H01347
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
境野 翔 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70610898)
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研究分担者 |
原 正之 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00596497)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 機能的電気刺激 / ロボット / 制御 / 技能教示 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまでに、反力呈示ができる遠隔操作「バイラテラル制御」を用いると、ヒトの持つ環境適応技能をロボットへ教示できることをあきらかにした。しかし、手指の技能教示に必要な装着型ロボットの製作は困難を極めた。そこで、ヒトの筋を電流で駆動する機能的電気刺激を用いてヒトの身体を直接制御することで装着型ロボットの代替とすることを提案してきたが、五指すべてを駆動することはできなかった。よって、本研究課題では、3次元的に筋を刺激して五指を選択的に駆動することで、機能的電気刺激を用いた五指のバイラテラル制御を開発することを目的とし、五指の物体操作技能をロボットへ教示するための基盤技術を確立する。
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研究実績の概要 |
機能的電気刺激を用いた手指の制御において、母指と小指は筋が他の指と分離されているため独立駆動しやすいが、示指、中指、環指は筋が近接しているため独立駆動が困難であった。しかし、初年度の実験結果により、複数電極を用いることで示指の独立駆動が容易になること、並びに、総指伸筋を用いることで中指と環指を独立駆動できることを実証した。 よって、本年度はこれらの刺激方法を二人の被験者に実装し、位置対象型バイラテラル制御を実装することで、手指のバイラテラル制御をできることを実証した。すなわち、初年度の知見を応用することで、中指と環指の2自由度のバイラテラル制御、示指のバイラテラル制御をそれぞれ実現することに成功した。ここでは、リーダの位置応答値をフォロワの指令値に、フォロワの位置応答値をリーダの指令値として与えており、リーダ、フォロワでそれぞれ高次スライディングモード制御を用いて位置制御した。しかし、リーダ、フォロワ、二人の人間の動特性の相違を考慮せずに制御していたため、制御帯域が狭かったこと、力フィードバックのない位置対象型バイラテラル制御であったため、操作が重かったこと、などが問題であった。 よって、3年目の研究ではまずリーダ、フォロワの動特性を考慮し、力のフィードバックも可能な制御系を開発することをめざす。そのうえで、制御の母指と小指の独立駆動が容易であることを考えれば、2年目の成果を統合し、母指、小指も駆動させることで五指の広帯域バイラテラル制御が実現できると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は各指の独立制御、2年目は各指のバイラテラル制御、3年目でその結果を用いた5指でのバイラテラル制御とそれを用いたロボットへの技能教示という当初の予定を満足した結果になっている。また、教示された技能動作をもとにロボットが模倣する技術については、分布として動作を記述することでリアルタイムで多様な動作を生成する手法や、フィードバック制御と組み合わせることで初見の物体の秤量などを実現する手法の開発に成功した。しかし、これらの模倣技術は機能的電気刺激により教示できるようになった手指の動作の模倣は行っていない。なぜならば、ロボットを遠隔操作して技能動作を教示するためにはさらなるバイラテラル制御の性能向上が不可欠であるからだ。また、筋を刺激する位置「モータポイント」の探索に時間がかかることも、実用上の課題となっている。よって最終年度である3年目にはこれらを解決し、五指を用いた物体操作技能を教示できるようにする。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は主に2つに分類できる。 第一に、機能的電気刺激を用いた五指のバイラテラル制御の実現である。すでに2年目までで、指1本ずつのバイラテラル制御を行うための基礎実証は完了しており、あとはこれらを同時に行うだけである。しかし、手指を駆動する筋は前腕に集中しているため、筋の干渉について抑圧する必要がある。そのためには筋の干渉を防ぐための刺激位置推定法の確立と、干渉した動作を補償するための制御系の開発の二者が必要である。これらについて、共同研究者原正之の協力のもと、官能試験を行いながら人間にとって最も臨場感の高い力覚提示を行う方法をあきらかにする。 第二に、人間が教示する五指の動作をロボットが模倣する技術の開発である。人間がバイラテラル制御を用いて教示した動作をニューラルネットワークを用いて模倣する技術「模倣学習」についてはすでにある程度開発は進んでいるものの、これまではロボットを用いたバイラテラル制御を前提にしていた。機能的電気刺激で駆動された人間の筋のようなプラントのモデルが時々刻々変動するような対象に対しての模倣学習の方法は未だにあきらかになっていないためこれを開発する。現在のところ動作やモデルを分布として記述可能なVariational Autoencoderのような生成モデルを利用することで解決できると期待している。
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