研究課題/領域番号 |
21H01377
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
石田 茂之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (90738064)
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研究分担者 |
永崎 洋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 首席研究員 (20242018)
辻本 学 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20725890)
西尾 太一郎 東京理科大学, 理学部第二部物理学科, 教授 (40370449)
柏木 隆成 筑波大学, 数理物質系, 講師 (40381644)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 臨界電流密度 / 磁束ピン止め / 超伝導臨界温度 / 上部臨界磁場 / 超流動密度 / 銅酸化物高温超伝導体 / 電子相図 / ドープ量依存性 / 輸送特性 |
研究開始時の研究の概要 |
銅酸化物高温超伝導体の実用に向けて、臨界電流密度(ゼロ抵抗で流せる最大電流密度、Jc)の向上は重要課題である。一般にJcは超伝導体中の量子化磁束を捕捉する力(磁束ピン止め力)で決定付けられる。多数の秩序相が共存・競合する銅酸化物高温超伝導体では、従来の超伝導体には見られない、特異な磁束ピン止め機構が期待される。本研究では、銅酸化物高温超伝導体の電子相図が臨界電流特性にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにし、Jc向上に向けた物質設計指針を提案する。
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研究成果の概要 |
銅酸化物高温超伝導体の単結晶を用いて、臨界電流密度(電気抵抗ゼロを維持できる電流密度の上限)がキャリアドープ量や化学組成に対してどのように変化するかを明らかにした。臨界電流密度について、従来知られていなかった特異な挙動(不足ドープ領域でピークを示す)を発見した。臨界電流密度に関わる超伝導パラメータである上部臨界磁場(超伝導状態を維持できる最大の磁場)と超流動密度(超伝導を担うクーパー対の密度)のドープ量依存性を調べたところ、これらはドープ量とともに単調に増大し、不足ドープ領域の臨界電流密度の挙動との相関は見られなかった。これは従来見落とされていた新奇磁束ピン止め機構を示唆する成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
液体窒素温度以上でもゼロ抵抗状態を維持できる銅酸化物高温超伝導体の超伝導機構解明および応用展開は長年の課題である。臨界電流密度は応用上極めて重要なパラメータであり、その顕著な増大をもたらす未解明の決定因子を発見したことの意義は大きい。今後、臨界電流密度の増大機構の解明することで、基礎的な知見の蓄積と超伝導応用の加速につながると期待される。
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