研究課題/領域番号 |
21H01385
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
片桐 崇史 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (90415125)
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研究分担者 |
大嶋 佑介 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (10586639)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | コンピュテーショナルイメージング / マルチモードファイバ / スペクトル符号化 / 光ファイバ / スペクトル符号化法 / 被写界深度 / マルチコアファイバ / 内視鏡 / 回折限界 |
研究開始時の研究の概要 |
細径撮像デバイスは、低侵襲な脳神経系の観察や、血管、細気管支内を観察する医用内視鏡として必要とされている。従来のイメージセンサや光ファイババンドルによるアプローチでは、画素サイズが回折限界に迫るが故に、更なる細径化は困難であった。我々は、シングルモードファイバの先端に融着接続したマルチモードファイバが画像情報をスペクトル情報に変換する符号器として働き、観測スペクトルから画像を復元できることを明らかにした。本研究では、符号波形の空間周波数特性に着目して、解像度の符号器構造依存性、復号、再構成アルゴリズムに関する学理を究明し、超細径撮像デバイスの開発に資する普遍的な指導原理を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究は,スペクトル符号化法に基づく単一ファイバイメージング法において,符号波形の空間周波数特性に着目して,解像度の符号器構造依存性,復号,再構成アルゴリズムに関する学理を究明し,超細径撮像デバイスの開発に資する普遍的な指導原理を確立することを目的としている.2022年度は,主に以下の項目について検討を行った. [1.解像度の評価] 5ミクロン径の蛍光スポットを直線状に配列した評価サンプルを用いて,構築したイメージングシステムの一次元解像度を評価した.評価の結果,解像度1000 LW/PHを達成することが明らかとなり,従来法に比べて1桁の解像度向上が可能であることを実証した. [2.ノイズ耐性のコア数依存性] 7コアのマルチコアファイバを用いて,空間多重化によるノイズ耐性向上についての実証実験を行った.評価の結果,コア数が多いほどノイズ耐性が向上すること,前処理として平滑化処理を行うことにより推定精度が著しく向上すること,さらには,ラグランジュ補間により少ない測定数で高解像な画像再構成が可能となり,圧縮率の限界が標本化定理に従うことが明らかとなった. [3.MMI符号器の最適化と動画撮像] MMI符号器で用いるマルチモードファイバの長さ依存特性を,シミュレーションおよび実験により検討したところ,長さ4cmが最適であることが判明した.最適化されたMMI符号器を用いて,動画撮像を実施し,動く撮像対象において,良好な画質の動画を取得可能であることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画にある,(1)符号波形と分解能の調査,(2)符号化性能の向上,(3)画素数と復号アルゴリズムの調査の3項目について実施し,現段階ですでに良好な結果が得られている.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果により,研究課題の核心をなす学術的「問い」は,おおよそ明らかとなった.最終年度は,得られた知見をもとに,超細径高解像イメージングの実証を行う.
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