研究課題/領域番号 |
21H01387
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
谷 正彦 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (00346181)
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研究分担者 |
渡邊 誠 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, 分野長 (00391219)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | テラヘルツ波 / スピン流 / 渦電流探傷法 / 金属スピントロニック素子 / 光伝導アンテナ素子 / 磁場プローブ / 電気光学サンプリング / 磁気光学効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,磁場に依存したスピン流からのテラヘルツ(THz)波放射を利用し,従来よりも飛躍的に高い空間分解能を有する渦電流探傷法を開発することを目的としている。そのために,① スピントロニック素子からのTHz波放射を高効率化するとともに,②励磁コイル,スピントロニック素子,THz波検出素子を一体化した渦電流探傷プローブを開発する。また,③THz波放射信号から欠陥を判別するためのDeep Learningによるアルゴリズムと信号処理システムの開発に取り組む。本手法による渦電流探傷法の基盤技術を確立し,(i) 空間分解能の限界,(ii) 従来法に対する優位性/劣位性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では,磁場に依存したスピン流からのテラヘルツ(THz)波放射を利用し,従来よりも飛躍的に高い空間分解能を有する渦電流探傷法を開発することを目的としている。そのために,① 金属スピントロニック素子からのTHz波放射を高効率化するとともに,②励磁コイル,スピントロニック素子,THz波検出素子を一体化した渦電流探傷プローブを開発する。また,③THz波放射信号から欠陥を判別するためのDeep Learningによるアルゴリズムと信号処理システムの開発に取り組む。 本年度は以下の研究を実施した。 (1) 昨年度,Diabolo(ボウタイ)型,円形,矩形(Dipole型)のアンテナ構造を持つ金属スピントロニック素子を試作したが,このうちTHz波放射効率が最も高かった矩形(Dipole型)アンテナ構造を持つ素子に対して,その金属膜厚とアンテナ形状を最適化した。矩形(Dipole型)アンテナ構造を持つ金属スピントロニック素子からのTHz波放射効率は,アンテナ構造を持たない場合に比べて,振幅ベースで7倍近く増大した。 (2) 金属スピントロニック素子からのTHz波の検出には,磁場の影響を受ける電気光学結晶に代わり,光伝導アンテナ素子を用いることにし,金属スピントロニック素子と光伝導アンテナ素子を一体化した磁場プローブを設計した。 (3) 渦電流を発生させるための励磁コイルを試作した。また励磁コイルによる磁場変調で,金属スピントロニック素子からのTHz波放射を変調し,ロックインアンプを使用して位相同期検出できることを実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
金属スピントロニック素子からのTHz波放射の高効率化は順調に進んでいる。一方,磁場に依存した金属スピントロニック素子からのTHz波放射検出には電気光学結晶を利用する計画であったが,電気光学結晶として用いたZnTe結晶に大きな磁気光学効果があり,検出素子としては不適であることが分かった。そのため計画を変更し,光伝導アンテナ素子を検出器として用いることにしたため,金属スピントロニック素子とTHz波検出素子(光伝導アンテナ素子)を一体化した磁場プローブの開発が予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は金属スピントロニック素子と光伝導アンテナ素子を一体化した磁場プローブの開発を加速する。金属スピントロニック素子として最適化した矩形(Dipole型)アンテナ構造の金属スピントロニック素子を用いて,磁場プローブの感度を向上させる。励磁コイルと磁場プローブを用いて磁場の空間マッピングの実証を目指す。
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