研究課題/領域番号 |
21H01401
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
村上 勝久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20403123)
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研究分担者 |
山田 洋一 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (20435598)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | 六方晶窒化ホウ素 / グラフェン / 電子放出 / 電子放出デバイス / 平面型電子放出デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
リモートプラズマCVD手法により六方晶窒化ホウ素(h-BN)の触媒フリー直接合成技術を確立し、Graphene/h-BN積層構造作製を実現する。更に、Graphene/h-BN積層構造の平面型電子放出デバイスを開発し、デバイス内部での電子散乱を極限まで抑制することで、放出電子のエネルギー分布幅の狭い超単色電子放出デバイスを実現する。
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研究実績の概要 |
本年度も昨年度に引き続き絶縁体および半導体基板上へのh-BN直接成膜技術の開発とGraphene/h-BN積層構造の平面型電子放出デバイスの試作を行った。h-BN直接成膜技術に関しては、誘導結合型プラズマCVDにおけるh-BN結晶性の各種パラメーター(ガス種、ガス流量、合成温度、プラズマ出力、圧力)に対する依存性を調査した。その結果、窒素流量と水素流量がh-BNの成長膜厚と結晶性に大きな影響を与えることが分かり、最適な成膜条件を見出した。これにより、触媒銅箔上に成膜した多層h-BNと同等の光学バンドギャップとラマン分光スペクトルを示すh-BNの、石英基板やSi基板への500度以下の低温での直接成膜を実現し、この成果をACS Omegaで発表した。多層h-BNの更なる高結晶化に向けて、サファイア基板上にエピタキシャル成膜したNi上への多層h-BN成膜を検討した。その結果、エピタキシャル成膜したNi(111)面上に高結晶な多層h-BNの成膜に成功した。平面型電子放出デバイスの開発に関しては、最適化したh-BN成膜条件を用いてGraphene/h-BN/Si積層構造の電子放出デバイスを試作し、1.3A/cm^2の大電流密度での電子放出に成功した。これは昨年度試作したデバイスの放出電流密度の約433倍の放出電流密度であり、Si基板上への直接成膜h-BNの結晶性改善の効果であると考えられる。また、Ni(111)面上に成膜した高結晶多層h-BNを絶縁層に用いた平面型電子放出デバイスを試作し電子放出に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
h-BNの半導体基板上への直接成膜に関して最適条件を確立しACS Omegaで発表した。更に、高結晶多層h-BNのNi/サファイア基板上への直接成膜に成功した。また、Ni上の高結晶多層h-BNを用いたGraphene/h-BN/Ni/サファイア積層構造の電子放出デバイスの試作と動作に成功したことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
Ni基板上への高結晶h-BN成膜に関して、成膜条件の最適化により更なる結晶性の改善を目指す。また、平面型電子放出デバイスの放出電子のエネルギー分析を実施することで、Graphene及びh-BN内部での電子散乱機構を解明し、超高単色電子放出デバイスの実現を目指す。
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