研究課題/領域番号 |
21H01420
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中畑 和之 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (20380256)
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研究分担者 |
林 高弘 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (30324479)
都築 伸二 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (60236924)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 無線受信 / 超音波 / 振動 / レーザー / 非破壊評価 / 非線形ダイナミクス / 光音響効果 / 無線プローブ |
研究開始時の研究の概要 |
光・音・振動の物理現象を用いてき裂を非破壊評価する研究であり,広域および局所検査法を提案する.広域検査では,レーザーの発振やフィルタ処理によって固体内で連続超音波を発生させる.このとき,小型錘で構造部材を加振することでき裂面の応力状態が変化し,透過波に非線形性が現れることを利用する.局所検査では,レーザーの空間変調を利用して超音波を発生を制御し,き裂による散乱波を開口合成してき裂の同定を行う.
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研究実績の概要 |
本研究は,き裂の応力状態に応じて生じる超音波の非線形性を利用して,広範囲からき裂の検出を行い,さらに局所検査によってき裂の同定を行う先進的非破壊評価法を開発することを目的とする.広域検査では,レーザー光の時間変調を利用して単一周波数の連続波となるように超音波を発生し,水平方向に長距離伝搬させる.このとき,同時に小型錘で構造部材を加振することでき裂面の応力状態を変化させると,界面接触に起因する非線形振動が現れることを利用する.き裂の局所検査には,レーザー光の空間変調を利用して照射面下に超音波を発生させ,き裂による散乱波を開口合成してき裂の同定を行う.R3年度は,レーザー光の時間変調を用いた超音波の周波数制御と,受信超音波の無線転送の基礎検討を行った. 広域検査のために,対象物に連続波の超音波を送信する光学系を設計・製作した.レーザー光源は高周波の繰り返し周波数で発信するが,このときゲート信号に応じてレーザーの発振をON-OFF することで,低周波の周波数を発生させることに成功した.現状では,ゲート信号を急にOFFにすることで波形ががたついているので,波形処理を導入して受信波形を整形して出力することを検討している. 受信した超音波を無線通信でPCに転送するための基礎検討を行った.無線・小型化のために,現状の加速度センサの構造と特性を把握する必要があった.富士セラミクス(株)の協力の下,圧電素子部分とアンプを切り分け,研究室にてバラック状態であるが振動を計測することができた.一方で,ファンクションジェネレータの信号をトリガとして,無線による計測開始を制御することができた.今後は,これらを組み合わせ,振動を計測して無線転送するシステムを構築する予定である.また,小型ケースに収納できるように,個々の部品のアセンブリを行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レーザー光の時間変調を用いた超音波の周波数制御と,受信超音波の無線転送の基礎検討については,上述の通り,順調に研究を遂行している.一方で,レーザー光の空間変調を用いた超音波の指向性の制御については,解析コードは作成できたが,その検証はまだ実施できていない.R4年度はこの検討から開始し,DOEの設計を進めることにする.
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,研究を進める予定である.ただ,レーザー光の空間変調に必要なDOE素子の製作費が当初の予定よりも高額である場合,予算内で製作可能なものに置き換え,受信点の位置や映像化アルゴリズム(開口合成)を変更することで対応する予定である.
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