研究課題/領域番号 |
21H01428
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
松原 仁 琉球大学, 工学部, 准教授 (50414537)
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研究分担者 |
川崎 了 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00304022)
椋木 俊文 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (30423651)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 岩内微生物 / バイオセメンテーション / 自己修復 / X線CT / SDDP地圏材料 / ナノX線CT |
研究開始時の研究の概要 |
脆弱化した岩石を選択・集中的かつ自己組織的に修復できる技術の開発を指向し,土着の微生物相と岩石種および各種環境因子との関連性を明らかにすると共に,最適微生物相の動態を制御できる手法を開発する。具体的には,岩内微生物の嗜好性を考慮し,セルロース繊維材及び微弱電流を岩石に添加,供給することで,微生物の代謝反応を亀裂や孔隙部で活発化させる。また,微生物による構造修復ダイナミクスを最先端のナノX線CT技術によって解明することに加え,微生物の増殖,拡散,代謝,鉱化反応及び地下水流れ,電場を考慮できる数理モデルを構築し,岩石内部におけるバイオミネラリゼーションの状態を解析できるツールを提供する。
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研究実績の概要 |
脆弱化した岩石の自己組織的な新しい修復技術の構築に向けて,フィールド調査,室内実験,X線画像解析,シミュレーションの観点からの研究を進めており,2022年度の活動は以下のようにまとめることができる。 (1) 北海道の凝灰岩及び砂岩の露頭を対象にしたフィールド調査を実施し,2021年度に沖縄の凝灰岩及び砂岩で得られたDNAを比較分析した結果,岩内微生物の属分布が一致し,岩石の鉱化・風化作用にある特定の微生物が関与していることが明らかとなった。また,沖縄の砂岩で発見した微生物起源の炭酸塩の析出現象について,実験室にて再現することに成功した。加えて,沖縄県内の複数のサイトから地盤固化に有効な微生物の単離培養に成功した。 (2) セルロース繊維材による微生物活性化の可能性について,珪砂及び国頭マージを用いた実験を実施したところ,特に,古紙繊維材を用いた時に,繊維材の周りに集中的に炭酸塩が析出することが明らかになった。微弱電流を用いた微生物制御法については,粒径分布の影響を受ける可能性が考えられた。 (3) 前年度に作製した供試体(砂粒子のみ,砂粒子+繊維材)のX線CT画像解析を継続し,バガス繊維と土粒子構造のX線CT画像取得に成功した。また,得られた空間情報を用いた炭酸塩の析出シミュレーションにも成功した(詳細については未検討)。 (4) 前年度に構築したMICPシミュレータに,均質化法に基づいたマルチスケール応力解析機能を追加した。加えて,OpenMPを用いた並列計算機能も追加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では,岩石修復を可能とする土着の岩内微生物の代謝反応を活発化させ,脆弱部を選択・集中的に修復できる機能を付加することで,岩石全体の自己組織的な「再一体化」を実現できる手法の提案を目的としており,本年までに以下のことを達成している。 (1) 地盤固化に有効な複数の微生物の単離培養に成功 (2) シアノバクテリア起源の炭酸塩の析出現象を実験室にて再現することに成功 (3) 天然由来の繊維材を用いることで岩内微生物が活性化し,繊維材周りにおける炭酸塩の析出を誘発することを発見 (4) 微細構造をX線CT画像にて取得したSDDP地圏材料の3次元微細構造を考慮したMICPシミュレーションを実現(SDDP:Sustainable Development for Disaster Prevention) 以上のように,目的達成のための一連の研究成果が蓄積されており,特に,①気温・湿度と微生物起源の炭酸塩析出の関係,②岩内微生物による選択・集中的な修復機能の再現,②SDDP地圏材料の修復ダイナミクスに伴う微細構造の変化とマクロ強度発現との関連性,③SDDP地圏材料のシミュレーション技術について,大きな進展がある。以上のことから,本研究は当初の計画以上に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初の計画以上に進展しており,今後は,SDDP地圏材料の更なる発展的な知見を得るために,微生物による岩石の鉱化現象に風化現象を交えたマルチフィジックスプロセスについても考究することとする。また,CT画像とシミュレーション技術の統合化についても計算結果の詳細検討を進めていく。
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