研究課題/領域番号 |
21H01429
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
上田 高生 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (20760284)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ステレオロジー / 粒径分布 / 深層学習 / 球面調和関数 / 2D-3D変換 / 主成分分析 / 粒子形状 / 遺伝アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
地盤を撮影した画像から砂などの3次元の形やサイズを推定することは難しい。その理由は、2次元画像と3次元の実態の間に差があり、また非常に小さな粒子を画像から識別できないことにある。本研究ではこの常識を打ち破り、地盤を撮影した2次元画像から砂などの3次元の形・サイズ分布を推定する手法を開発する。本手法は、巨礫を含む地盤、貴重なコアサンプル、惑星地盤など、一般的な3次元分析が難しい場合でも、簡単に取得できる画像から3次元の実態を推定できるようになり、科学技術の発展に寄与するとともに社会波及効果が大きい。
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研究実績の概要 |
粒径分布推定法の開発を行った。具体的に、DEMソフト(PFC Suite)へのコード追記により、ロジンラムラー等の数式で指定した粒径分布に基づいて球要素を生成し、自由落下させ、各要素の座標と半径を出力し、各要素を多面体に置換するプログラムを開発した。続いて、描画ソフト(Pov-ray)により、視点・光源・粒子表面テクスチャ・解像度等を様々な条件に設定し、現実的な粒子群の画像を作成するプログラムを構築した。上記のプロセスを繰り返して作成した大量の2D画像と3D粒径分布(粒径分布式の変数)を関連づけることにより、深層学習用の教師データを作成した。 また、より簡易な粒径分布測定法として、2D粒径分布から3D粒径分布の推定法として従来より用いられてきたGoldsmith-Cruz-Orive (GCO)法の改良手法を開発した。具体的に、GCO法では予め決められたサイズクラスを対象とした変換行列を使用するため、幅広い粒径分布や特定の粒径幅の分布に対しては予測精度が落ちるという問題点があった。開発手法では、サイズクラスの数及び幅を自由に決定して、それに応じて変換行列を生成するため、GCO法が苦手としていた粒径分布に対しても高い精度で3D粒径分布を推定できることを確認した。 1年目に開発した球面調和関数粒子モデルの実験検証を行った。6種類の砂及び鉱石粒子に対して、6種類の2D指標(円形度、2D長/短軸長比、面積、周長、2D等価径、2D長軸長)から7種類の3D指標(球形度、長/短軸長比、長/中軸長比、体積、表面積、等価径、長軸長)を推定できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、粒径分布推定法を開発するとともに、球面調和関数粒子モデルの実験検証を行い、概ね計画通りに研究が進捗した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度(3年目)は、球面調和関数粒子モデル及び粒径分布推定法を組み込んだ全体プロセスの開発のため、各技術の接続部分の開発と全体統合を行う。例えば、2次元画像からの粒子識別にといては、ウォーターシェッド法を用いた画像処理により迅速に粒子識別する等、研究要素は少ないもののソフトウェアとして機能するために重要な開発を行う。また、2年目に開発した粒径分布推定法の実験検証を行う。 2024年度(4年目)は、全体プロセスの実験検証を行う。具体的に、X線CTにより形状把握した比較的大きい粒子に微細粒子を混合して粒度調整した砂質土・礫等を容器に詰め、様々な条件下でカメラ撮影する。画像を入力情報とし、本手法で3D粒子形状及び粒径分布を正しく推定するとともに3D粒子データを作成できるか確認する。推定精度に問題がある場合は、2、3年目の検証結果を踏まえて精度低下の原因を特定し修正する。また、自動生成した3D粒子データを使って汎用解析(DEM等)できることを確認する。
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