研究課題/領域番号 |
21H01443
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 教授 (50216933)
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研究分担者 |
江藤 剛治 大阪大学, 大学院工学研究科, 招へい教授 (20088412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 水力発電 / 混相流 / 噴流 / 粒子 / ジェット / 高速ビデオカメラ / 近赤外 |
研究開始時の研究の概要 |
水力発電は発電用タービンや圧力鉄管等の損傷が懸念されるため,ダム湖の濁度が上昇すると発電用の取水を停止し,濁りが収まるのを待って取水を再開する。発電用取水の具体的な濁度基準が明確になれば,発電効率の向上と堆砂対策に大きく貢献する。本研究では高速ビデオカメラと顕微鏡を用いた微小粒子群を含んだ噴流が壁面に衝突するときの現象を画像計測により明らかにする。微小粒子の現象解明のためには拡大撮影が必要である。具体的にはタービン内ブレードをモデル化した透明な壁面に微小粒子群を含んだ噴流を衝突させ,透明壁を通して高速ビデオカメラと顕微鏡を組み合わせた撮影装置により,微小粒子の壁面衝突現象を撮影する。
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研究成果の概要 |
微細砂粒子による水力発電機器の壁面損傷の素過程の研究を行った.最も基本的な課題として,微細砂粒子の壁面への接触限界を明らかにすることにした.水中の平板とそれに近付く球体を対象として以下の3つのアプローチで研究を進めた:(1) 数値計算,(2)水理実験,(3) 短波赤外光を使った球と底面間の薄層における水運動の可視化技術の開発. 第3の技術について説明する.例えば1,450nmの光で水槽を底面から照明すると,深さ約1mm以上離れた層では光が吸収されて真っ暗に映る.このように,これまで撮影が困難であった界面極近傍の微細トレーサ粒子の運動を明瞭に可視化できるようになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非常に狭い間隙におけるダイナミックな水運動の実験的評価は,微細な砂粒子による発電設備の摩耗の問題だけでなく,産業上の様々の技術で遭遇する課題である.10μm以下の微細な砂粒子は表面の帯電に吸引された水膜に保護されて,流路の固体壁面に与えるダメージは抑制されているものと予想される.それより少し大きい粒子については,粒子と固体壁面が近接することにより潤滑効果が働くと考えられる.このような現象について水運動を直接可視化することは困難であった.本研究で開発したSWIR光を使った界面近傍の水運動の可視化技術は,固体壁面近傍だけでなく,自由表面を持つ水面近傍の水運動の研究を含めて有効な研究手段になる.
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