研究課題/領域番号 |
21H01447
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 亮 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (60401303)
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研究分担者 |
瀬谷 創 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20584296)
村上 大輔 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (20738249)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 空間的異質性 / 空間可変係数モデル / 分位点回帰 / 組成データ分析 / スパースモデリング / 地理的可変係数モデル / ESF-SVC / ランダム効果モデル / Generalized lasso / Tree-guided group lasso / 空間可変パラメータモデル / 小地域分析 / ESF-SVCモデル / 不動産市場分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,空間現象の形成過程が場所によって異なる,空間的異質性の分析に注目する.空間的異質性への分析アプローチは,都心対郊外のように広域で生じる異質性,都市内の一部地域への特定産業の集積など局所的に起こる異質性に注目した分析に二分され,両者が同時に存在することを考慮した分析は検討されていない.本研究は,様々な空間スケール(規模)で生起する空間的異質性を同時に分析が可能な統計解析手法を構築し,空間的異質性の抽出に基づいて地域の特徴把握を行う社会経済活動モニタリングを提案する.
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研究実績の概要 |
本研究は,空間上で連続的にデータ生成過程が変化する空間的異質性と,ある領域分割区分を境に離散的にデータ生成過程が変化する空間的異質性を同時に分析可能な方法論を開発している.これまで,ESF-SVCモデルで連続的な空間的異質性を,Generalized lassoで離散的な空間的異質性を表す融合モデルESF-GL-SVCを開発した.本年度は,二種類の異質性について,大域的から局所的なスケールまでで起こる異質性を分析できる手法への拡張を提案し,その有効性を確認した. まず,連続的な空間的異質性について,Random Effects (RE) ESF-SVCモデルに基づき拡張したRE-ESF-GL-SVCモデルを構築した.模擬データによる性能検証や不動産市場分析への応用を通して,提案手法は連続的・離散的な空間的異質性を分離でき,かつ,大域的から局所的なスケールまでの連続的な空間的異質性を分析できることを確認した.ただし,推定に要する計算量は多く,大規模データへの適用に限界を有することが明らかになった. また,離散的な空間的異質性について,Generalized lassoに代えて,グループ単位にスパース推定を行うTree-guided group lasso (TGL) を活用したESF-TGL-SVCモデルを構築し,その有効性を検証した.TGLは木構造で表せる階層的なグループを構成し,グループ単位にスパース推定をする手法である.小地域毎に係数を設定し,近隣の小地域をまとめたグループを階層的に構成することで,離散的な空間的異質性を有する地域を多様なスケールで抽出することを試みた.不動産賃料データへの適用を通して,賃料形成は都心では局所的に異なるのに対し,郊外部では比較的大域的なスケールで類似の構造を示すことが確認され,提案した分析手法の有用性が示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
線形回帰モデルをもとにした空間的異質性分析に関しては分析手法の構築がほぼ完了した.現在は,性能評価の拡充や,応用分析を通した提案手法の有効性評価を行う段階にあり,これまでおおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,線形回帰モデルから一般化線形モデルに拡張し,点事象分析など様々な分析への応用可能性を検証する.また,データ分布を考慮した異質性の分析を可能とするため,分位点回帰に基づく拡張や,階級データを扱うため組成データ分析に基づく拡張を予定している.
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