研究課題/領域番号 |
21H01460
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
久保田 健吾 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (80455807)
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研究分担者 |
山田 剛史 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90533422)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 活性汚泥 / 微生物群集 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の生活から出る汚水は主に微生物によって処理されているが、その処理を担っている微生物、特に微小真核生物については殆どわかっていない。近年の培養によらない解析によって、これまで多くの微小真核生物が見逃されてきたことが明らかになりつつある。本研究は、その未知微小真核生物の生理・生態を明らかにすることで、活性汚泥における食物環モデルを再構築することを目的として行う。
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研究実績の概要 |
日本各地から採取した合計276の下水処理汚泥サンプル中の原核生物および真核生物の群集構造をアンプリコンシーケンス解析により明らかにした。原核生物は16S rRNA遺伝子のV3-V4領域を、真核生物は18S rRNAのV9領域を対象とした。シーケンシングはイルミナ社のMiSeq、解析にはQIIME2を用いた。主座標分析において、原核生物の群集構造は処理プロセスあるいは処理場の違いによりその類似性が異なる傾向が見られたが、真核生物の方は見られなかった。標的とする微小真核生物群のサンプル中における存在割合(真核生物を100%とした時)は、多いときで90%を超えるのに対し、検出されないサンプルもあった。標的とする微小真核生物のポピュレーションダイナミクスに季節的な傾向や処理場や処理プロセスによる影響は見られておらず、優占化する環境因子は未解明である。ただこれはアンプリコンシーケンス解析による真核生物中の割合であり、サンプル全体に占める割合とは異なるため、定量PCRなどによる解析を行うことが必要であると考えられた。ネットワーク解析では、これまで検討した中では、特定のグループとの関連性はoperational taxonomic unitレベルでは見られていない。今後は対象を原核生物との関連性に広げて行く予定である。一部着目に値するサンプルについて定量PCRを行い、標的とする微小真核生物の存在率が高いと思われるサンプルについてメタゲノム解析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析を行うためのサンプル情報を収集し、整理することが出来た。その情報をベースに各解析を開始できており、概ね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
メタゲノム解析を行い、標的とする微小真核生物のMAGを獲得することが1つの挑戦である。定量PCRによりサンプル中の存在量を求める。また培養を開始し、標的とする微小真核生物が優占的に増殖する環境を探索する。
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