研究課題/領域番号 |
21H01468
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
一ノ瀬 俊明 国立研究開発法人国立環境研究所, 社会システム領域, 主幹研究員 (30231145)
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研究分担者 |
平野 勇二郎 国立研究開発法人国立環境研究所, 社会システム領域, 主幹研究員 (70436319)
白木 洋平 立正大学, データサイエンス学部, 教授 (80508416)
大西 暁生 横浜市立大学, データサイエンス学部, 教授 (90435537)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | リモートセンシング / 熱環境 / 都市計画 / ビッグデータ / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
リモートセンシングとビッグデータ分析の融合により、マルチスケールでの典型的な都市熱環境時空間情報抽出を通じて、都市における熱ストレスを監視するシステムを構築し、都市環境行政に適用するほか、都市環境計画(都市デザイン)、人間居住環境の管理・改善技術の提供など、環境モニタリング技術と環境評価能力の向上へ寄与することを目的とする。リモートセンシングデータからの地表面温度情報抽出を通じた、都市熱環境に関するマルチスケールの時空間情報構築を東京などの都市を対象に実施するものであり、都市における多様な熱ストレスの時空間分布をいかにして描き出すかを課題としている。
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研究実績の概要 |
関東西部を対象に複数の機械学習の方法を用い、精度の高い土地被覆の抽出を試みた。また、熱環境が悪化する地域塊(ホットスポット)とそうでない地域塊(コールドスポット)の空間的な特徴を、土地被覆との関係を踏まえ把握するとともに、対象地域における全域のデータと、ホットスポットとコールドスポットのみに絞ったデータを用い、熱環境と土地被覆の関係を統計的に把握した。地域的なこれら関係性をより明確にするため、最終的には、地理的加重回帰を用いて分析した。これにより、熱環境が悪化する空間的な特徴をより詳細に把握することができた。さらに、ここでは統計的な手法を用いて熱環境解析を行ったが、その実態をより深く理解するためには物理的な方法を検討することも必要である。加えて、東京都大田区を対象に、国土交通省が主導する3D都市モデルPLATEAUを利用して夏季の総日射量を推定するとともに、静止気象衛星HIMAWARIによって抽出された地表面温度との関係について評価を行った。両者について一定の関係性が見られたものの、これについても限定的な地域における解析であったため、今後は東京都区部全域に対象を拡大して評価を行うことが必要である。同時に、リモートセンシング分野における都市熱環境研究のミスリードについて事例解析を行った。近年では、都市熱環境や気象学、地理学などのバックグラウンドを持たないリモートセンシング分野の研究者による都市熱環境、ヒートアイランド研究の論文が急増しているが、重要なバッググラウンドの知識を欠いたまま分析を進めて書かれたと思われる残念な論文も散見されている。衛星リモートセンシングの分野で「新発見」のようにもてはやされうる話の中には、気象学の常識的知見との矛盾を克服できていないものが存在する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ドイツとの共同研究部分がコロナ禍の影響により遅れているが、リモートセンシング研究をめぐるクリティカルレビューや、都市内緑地公園開発計画評価への応用について、想定以上の進捗があった。分担者の担当部分については順調といえる。
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今後の研究の推進方策 |
ドイツとの共同研究を優先的に進めるほか、人工知能の活用についての進捗を得たい。
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