研究課題/領域番号 |
21H01486
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
持田 灯 東北大学, 工学研究科, 教授 (00183658)
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研究分担者 |
石田 泰之 東北大学, 工学研究科, 助教 (20789515)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 屋外風環境設計 / ビル風 / 暑熱適応 / 将来気候 / 強風災害 / city breathability / 移流 / 乱流拡散 / 風環境計画 / 都市の暑熱化 / 風洞実験 / メソ・ミクロ気候解析 / Breathability / 将来予測 / Large-Eddy Simulation / 95パーセンタイル値 / 都市環境 / 暑熱化 / 屋外温熱・風環境設計 / 地球・都市環境 / 都市温暖化 |
研究開始時の研究の概要 |
都市気候学、風環境工学、耐風工学分野で個別に検討されてきた都市の気流制御法を暑熱化と強風災害の激甚化への適応の観点から統合、再構築するため以下を行う。 ①上空と地表付近の空気交換能力を表す指標であるBreathability(Breathable:呼吸しやすさ)に影響する要因としての高層ビル、補助的な環境制御装置としての樹木に着目し、その形態がBreathabilityの変化を通じてa)平常時の温熱風環境、b)稀なる強風時の瞬間最大風速、周囲の建物が受ける風圧力への影響を分析。 ②将来気候下でも有効な、防風性能も備えたBreathableな市街地形態の解明。実効性の高い都市計画ガイドラインの提案。
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研究成果の概要 |
CFD解析により、市街地形態がBreathability(上空と市街地内の空気交換能力)、強風発生、風下側の風環境悪化に及ぼす影響を定量化し、強風被害と風下側への悪影響が強い移流ではなく、乱流拡散によりBreathability向上を図るべきという結論を得た。また風洞実験結果に基づき、現在及び将来における稀なる強風時に高層建物周辺の低層建物に作用する風圧による耐風安全性を評価し、現行の荷重指針値を超える荷重が作用する可能性を示した。以上から、平常時における風通し確保とその風下側の風環境への悪影響低減、稀なる強風時における周辺建物の安全性確保を同時に実現するための風環境計画上の留意点を整理した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒートアイランド問題が政策課題として取り上げられた2000年代初頭以来、過去20年にわたり都市の弱風対策がビル風等の強風対策と連携することなく進められてきた。しかし、気候変化による都市の暑熱化が進み、風通しの一層の改善が求められるとともに、台風の大型化に伴う強風対策が一層求められることは間違いないので、本研究により強風対策と弱風対策を統一的に進める理論的枠組みが構築された社会的意義は非常に大きい。さらに、高層建物により現行の荷重指針を上回る風荷重が周辺の低層建物に作用する可能性を示したことで、現在欠落している、稀なる強風時の周辺の低層建物の耐風安全性を評価する重要性を示した。
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