研究課題/領域番号 |
21H01490
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 教授 (90198911)
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研究分担者 |
仁井 大策 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50414967)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 木造耐火 / 燃え止まり / 炭化層 / 赤熱 / 脱落 / 数値シミュレーション / 木造耐火構造 / カラマツ集成材 / 数値解析 / 放冷過程 / 給気量 / 炭化深さ / 炭化温度 / 木質構造部材 / 耐火構造 / 熱伝導解析 |
研究開始時の研究の概要 |
木材は、再生可能で環境に優しい材料であり、建築物への利用拡大が推進されているが、可燃材料である。そのため、火災を受けると表層から炭化が進行し、火災終了後も自己燃焼が継続する。これを放置すれば最終的には建物は崩壊してしまう。崩壊を防ぐためには、火災後の自己燃焼を自ら停止する「燃え止まり性能」が必要となる。本研究では、カラマツ集成材等について燃え止まりのメカニズムを、炭化層の構造と亀裂の形状、炭の赤熱燃焼速度等の観点から解明し、数値シミュレーションにより燃え止まりを予測することが目的である。その結果、火災に強い木造建築物の設計を合理的に行うことに寄与できる。
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研究成果の概要 |
本研究はカラマツ集成材を対象として、火災加熱中の炭化と加熱後の燃え止まりに関与するメカニズムを検討したものであり、その成果は下記のように要約される。 1)加熱終了後の冷却過程において、冷却空気量を増すと表層部の損傷が大きくなることを示した。2)温度測定に基づいて炭化深さを求める方法を検討した。3)亀裂幅、幅深さ比、亀裂間隔といった炭化層の基本的形状をモデル化した。4)炭の酸化による赤熱反応の速度式を考察した。5)炭化層の保持可能厚さに関して、脱落率、脱落幅、脱落深さなどと炭化相厚さとの相関を導いた。6)以上のサブモデルを組み込んだ数値解析モデルを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
建築物への木材利用拡大が推進されているが、火災安全上の懸念として耐火性がある。火災時には柱、梁、床、壁等の構造部材が激しく加熱されて表層から内部へと炭化が進行し、火災終了後も自己燃焼が継続すると崩壊の懸念がある。崩壊を防ぐためには、盛期火災の加熱に耐えた上で、その後の自己燃焼を自ら停止する「燃え止まり設計」が必要となる。本研究の成果は、カラマツ集成材の実験と解析を通じて燃え止まりメカニズムに基づいた予測を可能にするものであり、大規模木造建築物の耐火設計を推進するための基盤的知見となる。
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