研究課題/領域番号 |
21H01537
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
堀 恵一 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 専任教授 (40202303)
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研究分担者 |
戸野倉 賢一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00260034)
津越 敬寿 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (20277271)
和田 豊 千葉工業大学, 工学部, 教授 (20553374)
三島 有二 株式会社神戸工業試験場(生産本部技術開発部), 技術企画室, 研究員 (30501689)
坂野 文菜 山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (40961735)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | ハイブリッドロケット / 熱分解 / 高分子燃料 / 燃焼 / 反応動力学 / 固体燃料 / 急速加熱場 / 急速加熱 / 燃焼機構 / 宇宙推進 / 燃焼工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,近い将来の宇宙産業の勃興に備え,宇宙推進工学の分野での至上命題の次世代燃料:ハイブリッドロケット(HR)燃料の開発に係る.次世代燃料の開発は,高分子燃料の燃焼速度(燃料後退速度)の低さが原因となり,十分な推進力を得ることが出来ない状況が続いていた.我々の独創的アプローチでは,熱分解・燃焼時の反応機構を分子レベルで解明することで,高分子燃料の分子設計も従来の経験則に代わって論理的に展開する.本研究では,これまでの研究成果を踏まえて,HR燃料の気相中での反応動力学を研究し,次世代燃料としての実用化への道を開く高性能化研究を行う.
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研究成果の概要 |
ハイブリッドロケット燃料の表面後退速度(燃焼速度)向上を目的とし、実際のロケット燃焼場を模擬する熱分解・質量分析器システムを構築した。燃焼速度の高い熱可塑性樹脂を1MPa、高加熱速度下で熱分解し、生成物濃度を精確に同定した。 結果、分解で生成するエチレンが芳香族化し、煤が生成するパスが存在することが判り、高燃焼速度化を阻害する一因となっていることを明らかにした。 五酸化バナジウムの添加が有効であることが実験的に明らかになった。実際にハイブリッドロケットを用いて燃焼実験を実施したところ、燃焼速度は従来と比較して50%以上向上し、観測ロケット用であれば実用化が可能な領域まで高まった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低コスト、低環境負荷、高性能とハイブリッドロケットシステムは高度にバランスのとれた宇宙輸送システムである。しかし固体燃料となる高分子材が燃焼性が低く大推力の発生が難しく大型ロケットへの適用が難しい。本研究では、実際のロケット燃焼場での高分子燃料の熱分解を精確に計測できる装置系を開発し、燃焼反応の詳細を調べた。その結果五酸化バナジウムの添加が有効で、燃焼速度をこれまでの50%以上向上することができた。これにより、小型観測ロケットクラスであればハイブリッドロケットで置き換えることが可能となった。
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