研究課題/領域番号 |
21H01543
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
西 佳樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (70470052)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 環境リスク / 海洋環境 / モデリング / リスク評価 / 難分解性有機汚染物質 / 海洋モデル / 環境リスク評価 / 海洋汚染 / 数値シミュレーション / 確率過程 / 食の安全 / 河川水 / 沿岸域 / 確率微分方程式 / 数値モデル |
研究開始時の研究の概要 |
「沿岸海域から取れる水産物を食する行為はどの程度のリスクを伴うか?」この問いへの回答を得るため本研究は「海洋環境リスクマップ」を実現し社会へ提供する。沿岸域での海洋汚染物質による環境リスクの空間分布を数値計算により明らかとする。潮の流れ、魚類身体内での物質動態などの多様な現象を統合的に再現する数値モデルを創る。リスク要因として難分解性有機汚染物質とプラスチック粒子とを考慮する。手順は(1)大小両サイズ現象を繋ぐ確率過程論の定式化、(2)数値計算手法の設計と実装、(3)計算結果の検証およびリスクマッピングである。本研究の遂行は、海洋からの食糧源の品質保障に対し「食の安全」の側面からの貢献となる。
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研究成果の概要 |
海へ負荷された難分解性有機疎遠物質に起きる物理・化学・生物学的過程をモデル化し、それらを統合化したシミュレーション手法を構築した。その部品となる海洋物理モデルを数値計算安定性と精度の面から改良した。さらに、魚個体が汚染物質を取り込み、蓄積し、排出する現象を確率論的にモデル化し、その妥当性を検証し満足できる結果を得た。魚以外のプランクトン類も変数として加え、沿岸域における食物連鎖の中での汚染物質の移動についてもシミュレーションし、ヒトが摂取する海洋生物体内における汚染物質濃度の確率分布を出力する手法を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、空間規模が大きな現象(潮流、物質の海水中の移流拡散など)と小さな現象(魚個体の運動や生理)とを統合させた視点を維持した。確率論を基盤として規模が異なる現象同士を統合する手法は本研究が創造したものである。また。ヒトが水産物として摂取する海洋生物体内に蓄積する汚染物質量をシミュレーションできる様にすれば、海洋環境リスクを定量的かつ合理的に提示することができる様になる。これにより、水産物の許容摂取の基準値に関して、従来よりも科学的根拠を備えた形で決めることを可能とする。
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