研究課題/領域番号 |
21H01549
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北原 辰巳 九州大学, 工学研究院, 准教授 (50234266)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 燃料電池 / ロバスト性 / 耐久性 / ガス拡散層 / 水管理 / 船舶海洋工学 / 安全性 / 異常診断 |
研究開始時の研究の概要 |
舶用燃料電池の発電性能を向上させるためには,電解質膜を適正な湿潤状態に保ちドライアップを防ぐとともに,電極触媒層で生成した過剰な水分を速やかに排出してフラッディングによる酸素供給の阻害を防ぐことが重要である.そこで船舶特有の幅広い運転条件下でセパレータ流路からガス拡散層を通り電極触媒層に至るまでの酸素・水蒸気・液水の物質輸送を促進させてロバスト性を向上させるためのガス拡散層に関する設計指針を確立する.また交流インピーダンス法により燃料電池の各部過電圧を精度良く解析し,運転中の電池本体および補機の異常を早期に検知し,燃料電池スタック全体の故障を未然に防ぐための異常診断技術を確立する.
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研究成果の概要 |
舶用燃料電池は長時間の高負荷運転や急激な負荷変動に対応する出力特性が要求されるため,電解質膜のドライアップを防ぐと同時に,電極触媒層における過剰な生成水を速やかに排出してフラッディングを防ぐことが重要である.そこで本研究では撥水性マイクロポーラス層(MPL)の表面に薄い親水層を塗布した親水・撥水MPL付き拡散層を考案し,発電性能の向上策について検討した.その結果,親水・撥水MPLを適用すると,親水層の付与により耐ドライアップ性が向上する.さらに電極触媒層における排水性が高まり,クヌーセン拡散抵抗が低減するため,従来の撥水MPLと比較して耐フラッディング性が大幅に向上することを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来から一般に適用されている撥水性マイクロポーラス層(MPL)付きガス拡散層の場合,耐ドライアップ性と耐フラッディング性を高めるための設計指針が異なっており,耐ドライアップ性を向上させたMPL付き拡散層は耐フラッディング性が低下することが問題である.本研究で考案した親水・撥水MPLは,親水性の付与により電解質膜の保湿性が向上して耐ドライアップ性が向上する.また親水層が撥水MPLへの液水導入を促進して電極触媒層の排水性を向上させるため耐フラッディングも向上する.従って長時間の高負荷運転が要求される舶用燃料電池の発電性能と信頼性・耐久性を向上させるうえで貢献できるものと考えられる.
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