研究課題/領域番号 |
21H01581
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
厚井 高志 北海道大学, 広域複合災害研究センター, 准教授 (40845294)
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研究分担者 |
堀田 紀文 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00323478)
吉本 充宏 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (20334287)
執印 康裕 九州大学, 農学研究院, 教授 (60221305)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 地震 / 表層崩壊 / 緩勾配斜面 / 外力 / 境界条件 / 地震動 / ハザードエリア / 大規模表層崩壊 / 大規模外力 / 森林 / 土砂災害対策 / 地震外力 / 確率楕円 / 微細土砂 / 火山地質 / 斜面安定解析 / ハザードマップ / 安全率 / 火山体崩壊 / 構成物 / 富士山 / 御嶽山 / 大面積表層崩壊 / テフラ / 層序 / 岩屑なだれ / 降下火砕物 / 地すべり / 等降灰厚線図 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,強震動を伴う地震が国内で多く発生していることに加え,気候変動の影響か強い雨が長時間降り続ける頻度も増加傾向にある。2013年伊豆大島災害や2018年北海道胆振東部地震では山間部で広範囲にわたる斜面崩壊(大規模表層崩壊)が発生し,甚大な被害が生じた。今後,大規模表層崩壊に伴う土砂災害発生がますます懸念されることから,その発生機構を解明し,危険箇所を事前に想定することは防災上喫緊の課題である。本研究では,過去の大規模表層崩壊が火山地域で発生したことに着目し,「外力」と「境界条件」の組み合わせで地域ごとに「特殊性」が生じているという作業仮説を立て,この特殊性の評価手法の開発および可視化を行う。
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研究成果の概要 |
地震により崩壊が発生した火山地域を対象に,地形や地質といった境界条件を明らかにした。さらに,現地調査等に基づくすべり面深さや採取した火山噴出物の物性をパラメーターとして斜面安定解析を実施し,外力として地震動を考慮すると緩勾配斜面でも安全率が1以下となることを確かめた。すべり面となる降下軽石層が数千年以上にわたって層構造を維持するためには緩勾配であることが必要条件となり,こうした条件に外力となる強振動が作用して大規模表層崩壊が発生することが示唆された。以上を踏まえ,緩勾配斜面で発生する表層崩壊の発生機構を提示し,火山地域における大規模表層崩壊のハザードエリアを潜在的に示す手法を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地震に伴う強振動により斜面崩壊が発生した場合,避難のリードタイムがほとんどなく,甚大な被害を引き起こすことがある。特に,2018年北海道胆振東部地震では,勾配が20度から30度の斜面で最も多くの崩壊が発生し大きな人的被害が生じた。わが国ではこうした緩勾配斜面は,法律上も防災対策の検討対象となっていない。したがって,本研究課題で取り扱った大規模表層崩壊の地形的・地質的特徴を把握し,その発生機構を明らかにしたことは学術的に重要な知見であり,また,これまで想定されていなかったハザードエリアを潜在的に示すことができたことで,山地防災に係る対策を検討することが可能となったことは社会的意義が大きい。
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