研究課題/領域番号 |
21H01588
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
地元 孝輔 香川大学, 創造工学部, 准教授 (40713409)
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研究分担者 |
山中 浩明 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (00212291)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
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キーワード | 地下構造モデル / アレイ微動観測 / 地震波干渉法 / ストレッチング法 |
研究開始時の研究の概要 |
強震動予測のため、適切な地下構造モデルを作成することは重要である。現在では日本全国の地下構造モデルが提案されているが、改良の必要性があることもわかってきた。しかし、これまでと同じのやり方で日本全国のモデル更新を行うことは、果てしない時間と労力がかかる。そこで、一からモデルを推定するのではなく、地下構造に依存する関数の変化量を捉え、モデルの変化量を推定することでモデルを改良する手法の開発に取り組む。マルチアレイ微動観測により空間的に大量のデータを取得し、各点における単純な関数を推定してその空間変化を捉える。この手法によりモデルの効率的な改良とアップコンバージョンが期待できる。
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研究実績の概要 |
マルチアレイ微動観測による地下構造モデルのアップコンバート技術を観測記録へ適用するため、研究対象とする被害地震の被災地において微動観測を実施した。複数の機材を用いて調査測線上で同時に観測するリニアアレイを繰り返し実施する手法により、これまでの微動観測に比べて大量の数百点の微動記録を短期間で効率的に取得することができた。この記録について上下水平動スペクトル比および自己相関関数、相互相関関数、単点相互相関関数を計算した。その結果、同測線上で実施されていた既往の単点微動観測記録による上下水平動スペクトル比とおおむね一致することを確認し、空間的により解像度の高い結果を得ることができたと言える。それらの相関関数からは明瞭な空間変化が確認でき、地下構造の急変位置を明瞭に捉えることができたと考えている。微動だけでなく、定常的な地震観測により蓄積されている強震観測記録に対してP波とS波部の自己相関関数とレシーバー関数の推定を行った。これらからも地震基盤における反射波や変換波の空間変化を明瞭に捉えることができた。それらの同時解析を行い、H-VスタックによってP波速度およびS波速度、基盤深度に変換して定量化することができた。また、被災地域において既存の微動アレイ探査手法も実施しており、既存の解析手法により定量的な地下構造モデルのパラメータを推定している。この結果と相関関数の空間変化の結果を統合して地下構造モデルを修正する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでテストデータによる地下構造モデルのアップコンバート技術の開発、現地観測によるデータの取得、蓄積されている地震データへの適用を行い、研究計画どおり順調に進捗している。研究成果の一部は学術雑誌に掲載されており成果発表も順調である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は取得した観測データから推定した相関関数に対してストレッチング法を適用し、速度変化量を定量化する。その結果を地下構造のモデル修正に反映させ、修正地下構造モデルの提案を行う。地震記録についても国内において展開されている強震観測網によるデータへの適用を続けることで、高精細な地下構造モデルの構築に活用する。
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