研究課題/領域番号 |
21H01593
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
小暮 哲也 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (70534006)
|
研究分担者 |
土井 一生 京都大学, 防災研究所, 准教授 (00572976)
小松 満 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (50325081)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
|
キーワード | 地下水挙動 / ひずみ変化 / 斜面安定性 / 深層崩壊 / 割れ目 / 分布式光ファイバセンシング / ケーブル加熱法 / 温度変化 / 地下水 / 地下水流検知 / 光ファイバ / 微動探査 / セメント試料 / 加熱試験 |
研究開始時の研究の概要 |
基盤岩内部の亀裂の発達やそれに伴う微少な変形の検知は,深層崩壊のみならず,斜面地形の発達機構の解明・理解に役立つ。本研究では,深層崩壊の発生予測に向けた一歩として平常時の基盤岩の変形に関する基礎データの蓄積を目的とし,基盤岩の変形位置と地下水流の位置を同時計測可能な分布式光ファイバセンシングにより,地表から基盤岩の変形を連続的に直接測定する。研究期間の前半で室内実験により計測方法を確立し,期間の後半で実際に野外計測する。そして,これまで未計測の深さで基盤岩内部の地下水流と変形との対応関係を明らかにし,基盤岩内の水文力学的挙動に関する学術の進歩へ貢献する。
|
研究成果の概要 |
きわめて稀な豪雨により発生すると考えられる深層崩壊の発生機構を解明するため,斜面の地表から50mの深さまで観測孔を掘削し,地下水挙動と地盤変形との関係を調査した。地下水挙動と変形の監視には,温度とひずみの変化を検知可能な光ファイバケーブルを使用し,5cm間隔でデータを取得した。地下水挙動には温度変化,地盤変形にはひずみ変化のデータを利用した。本研究では,地下水が滞留または流動する場所では加熱したケーブルの熱が奪われ昇温しにくい性質を利用し,地下水の存在箇所を特定できた。また,ひずみの累積場所は地下水の付近であることがわかり,岩盤内の割れ目を通る地下水が地盤変形の原因となる可能性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,地球温暖化に伴い短時間で非常に強い降雨現象が増えている。そうした降雨により通常の斜面崩壊より規模が大きい深層崩壊が発生する可能性が高まる。本研究では,深層崩壊が発生する地下数十メールの深さでは日常的にどのような現象や変化が起きているか調べるため,深層崩壊の原因となる地下水の動きと地盤変形との関係を調べた。その結果,地下水の動きが活発な場所(恐らく岩盤の割れ目が多い場所)で地盤変形が生じやすいことを確認した。この成果は,地下水が流動しやすい場所をボーリング孔掘削により把握することで,将来の深層崩壊発生リスクすなわち斜面安定性を評価できる可能性を示す。
|