研究課題/領域番号 |
21H01609
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
藤田 麻哉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 上級主任研究員 (10323073)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 磁気熱量効果 / 磁気冷凍 / 熱力学サイクル / 遍歴電子メタ磁性転移 / 非定常現象 / 断熱温度変化 / 非平衡過程 / 相転移動力学 / 核生成・成長 |
研究開始時の研究の概要 |
室温磁気冷凍での利用が期待されるLa(Fe,Si)13 磁気熱量材料を対象とし、磁気熱量効果において、長きに渡りブラックボックスとなっていた1次転移での”断熱温度変化”の正体を明らかにする。このために、断熱非平衡過程での磁気転移カイネティクスを調べる。基礎学理としては、固体1次相転移において未解明な断熱過程での核生成・成長について、非平衡に進行する場合の動的挙動を明らかにする。応用面からは、熱力学サイクル成立のために重要な断熱温度変化プロセスの理解が可能になり、磁気冷凍サイクルの設計指針が明確になる。これらにより、世界最高性能の磁気冷凍材料による磁気冷凍サイクル構築を実現可能にする。
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研究成果の概要 |
遍歴電子メタ磁性転移に由来するFe系化合物の磁気熱量効果について、特に1次転移固有の断熱過程が、古典的(理想気体向け)熱力学サイクル概念にどのように取り込まれるか解明するため、断熱過程において、温度変化と磁気状態変化を同時に観測できる手法を開拓した。相転移の過渡性が関与するため、サイクル要素としての断熱経路に特有の動的性質が生じることがわかった。このことを現象論的にモデル化した状態方程式に基づいて考察し、自由エネルギーの凸曲線の鞍点を通る状態変化が断熱経路にかかわることが予想された。また実際の冷凍動作においてもその場観測を行い、局所熱サイクルに相転移の非定常性が関与することを把握した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術面としては、理想気体ベースの古典熱力学(熱サイクル概念)に相転移論を融合させることで、新たな学理基盤が固められる。特に、固体の電子自由度(スピン系)に由来する相転移は、気液相変化現象に比べ未解明な事項も多く、固体電子論的な相転移起源の解明にも寄与する。同時に、工学的側面では、現代社会において急激に重要化している熱マネージメントへの貢献として、低環境負荷/高効率な磁気冷凍技術の進展、さらには社会実装にむけた開発を大きく進展することが可能になる。
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