研究課題/領域番号 |
21H01614
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 亮 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (20734156)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 原子分解能電子顕微鏡法 / 3次元構造解析 / 原子ダイナミクス / 不均一触媒 / 貴金属ナノ粒子 / TiO2 / 白金ナノ粒子 / 高速電子顕微鏡法 / 貴金属ナノ触媒 / 規則合金 / ナノ界面 / 3次元構造解析 / 原子分解能電子顕微鏡 / 3次元電子顕微鏡法 / 微分位相コントラスト法 / 触媒ナノ界面 / 先端電子顕微鏡法 / 深さ断層法 |
研究開始時の研究の概要 |
触媒ナノ界面では,金属ナノ粒子から酸化物担体への電荷移動による特異な電場の形成が予想されるため,3次元での電場構造解析が触媒活性点の決定および触媒発現・劣化機構の解明に極めて重要な役割を果たすと考えられる.本研究では,3次元の原子構造および電場構造を可視化する電子顕微鏡法を開発し,不均一触媒に形成されるナノ界面への応用研究により,活性点や触媒発現・劣化機構を明らかにすることを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,TiO2(110)基板に担持した白金ナノ粒子の高温における劣化機構を明らかにするため,白金ナノ粒子の3次元構造および原子ダイナミクスの解析を行った.独自に開発を行った高速電子顕微鏡法を用いることにより,40ミリ秒の時間分解能でTiO2基板上の白金3量体を追跡した.第一原理計算との併用により,投影2次元像から白金3量体の3次元構造再生に成功した.得られた3次元構造から,白金3量体は正三角形を保持しつつ,3次元回転と並進によりTiO2基板上を運動することが分かった.また,白金はチタンを避け,酸素との結合・切断を繰り返しながら選択的な経路を運動していることも明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の走査透過型電子顕微鏡では,高い空間分解能を有するものの,時間分解能に大きな制約が課されていた.また,2次元投影像しか得られないため,3次元の原子構造を取得することは極めて困難であった.本研究では,比較的な単純な構造を有するナノ粒子に着目し,事前知識に基づいた3次元構造の再生を行った.第一原理計算を併用することにより,白金3量体の原子ダイナミクスの追跡に成功した.本研究によって確立した研究手法を拡張・展開することで,3次元構造の時間発展を追跡する新たな分野の開拓が期待される.
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