研究課題/領域番号 |
21H01632
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本多 智 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (10711715)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 高分子トポロジー変換 / 光反応 / 超音波 / 高密度焦点式超音波 / 解体性接着剤 / 積層造形 / 3Dプリンティング / 液槽光重合式3Dプリンティング / 高分子トポロジー |
研究開始時の研究の概要 |
使用時に強力な接合強度を持つ一方で役目を終えると簡単に剥離できる解体性粘接着技術の開発は急務となっている。しかしながら、材料中の表面に加えて深部の接着性が剥離時に低下する有効な材料・剥離技術の開発には目立った進展がみられていない。この課題に対して本研究では、新たな高分子形状変換法の開発に基づく解決に挑む。すなわち、①光・超音波(音)応答性物質と超音波素子開発、②光と音による高分子形状変換法、さらに③材料表面・深部における接合箇所の剥離技術をそれぞれ開発する。
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研究成果の概要 |
本研究は、音波に応答する物質(感音性物質)と、感音性物質の応答を可能にする高密度焦点式超音波(HIFU)デバイスの相補的な開発を通じて、材料内部の力学物性をピンポイントで可逆的に制御する方法論を開拓することを目的に実施された。その結果、光刺激に応答して可逆的に切断可能な動的共有結合を持つヘキサアリールビイミダゾール(HABI)を含む高分子が、感音性物質として振る舞うことを突き止めた。また、従来型の光刺激ではHABIを含む感音性物質の表面に存在するHABIにしか作用しなかったのに対し、HIFUは材料内部の狙った位置のHABIを応答させることが出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピンポイントな光刺激で材料の特定の部分のみを分離・解体する技術は、温室効果ガスの削減を見込めることから盛んに研究されている。しかし、光刺激は材料表面に作用できても、材料内部の局所に作用させることができない。それに対して本研究成果に立脚すると、様々な高分子材料の内部の物性をピンポイントで制御できる可能性がある。したがって、製品の解体・回収・リサイクルを効率化し、将来の循環型社会の実現に寄与する可能性がある技術として意義深い。今後、様々な静的・動的共有結合性の架橋高分子材料の解体を通じて理解が深まることで、材料の改質、自己修復、解体・再利用に関する一分野を築く可能性を期待できる。
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