研究課題/領域番号 |
21H01644
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
北岡 諭 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 理事 副所長 (80416198)
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研究分担者 |
金高 弘恭 東北大学, 歯学研究科, 教授 (50292222)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 酸窒化チタン / セグメント / コーティング / 抗菌性 / 変形許容性 / 酸窒化チタンセグメント / 生体親和性 / 酸化チタン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、原子・ナノレベルで高次構造制御した酸化チタンからなるセグメント構造体をチタン基板上に形成することにより、生体接触部位(歯肉、歯槽骨)に応じた高い抗菌性と生体親和性(細胞誘導・配向)を一つのチタンインプラント上で同時に発現させるための表面改質技術基盤を構築する。これにより、口腔内において優れた組織適合性を有し、かつ、安心・安全な歯科インプラント材料としての応用が期待される。
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研究成果の概要 |
レーザー加熱機構を有する電子ビームPVDにより、Ti基板上に縦割れのセグメント構造を有し、かつ、その表面を幅10~50 nmの棘で覆われたTiNO膜を創成することに成功した。セグメント構造により膜の変形許容性が大幅に増大したことから、繰り返しの咬合時においても、膜の大変形に伴う接触部の応力集中低減により膜構造を維持するものと推測された。この膜に対して、フィルム密着法により大腸菌に対する抗菌性を評価した結果、抗菌性に優れることを明らかにした。しかし、株化骨芽細胞様細胞を用いた培養実験による細胞誘導性評価においては、現用材よりも生体親和性が低かった。今後、抗菌性と生体親和性の両立を図る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯科用インプラントに抗菌性を付与するためには、薬剤が使用されており、生体に安全な薬剤の徐放制御が必要である。一方、棘を有る固体表面には抗菌性が発現することが報告されたが、細い棘では繰り返しの咬合に伴う応力集中により容易に損耗することが懸念される。本研究成果は、薬剤を使わないで発現する上記抗菌作用を実使用環境下において持続するための方法を提唱したものであり、歯科用インプラントだけでなく、人工股関節など、幅広く医療分野への展開が可能である。また、航空機エンジン用耐熱部材の遮熱コーティングとして培われてきた成膜技術を、医療分野に展開するものであり、まさに、異分野融合の成果であるといえる。
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