研究課題/領域番号 |
21H01645
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
和田山 智正 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20184004)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 固体高分子形燃料電池 / アノード触媒 / 過酸化水素生成 / 水素酸化反応 / 酸素還元反応 / イリジウム / 白金 / イリジウム合金 / 過酸化水素生成反応 / アノード / 触媒材料 |
研究開始時の研究の概要 |
固体高分子形燃料電池(PEFC)のアノードで進行する水素酸化反応(HOR)や過酸化水素(H2O2)の生成メカニズムを、構造の規定されたIr系合金単結晶表面を超高真空中で物理構築・モデル触媒化して検討する。その上で、アノード触媒開発に不可欠な表面構造を原子レベルで明確にするとともに、得られる表面構造設計指針に基づきIr系合金触媒ナノ粒子を気相合成して、その優れた触媒能を実証する。この課題解決に向けて、我々がこれまで培ってきた世界的にも唯一無二の超高真空中における良く規定された金属・合金表面系構築技術を最大化して取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究は、構造の規定された合金単結晶表面を超高真空中で物理構築し、触媒表面構造モデルとして用いて、固体高分子形燃料電池(PEFC)のアノードで進行する水素酸化反応(HOR)や過酸化水素(H2O2)の生成メカニズムを検討することを目的として行われた。さらに、アノード触媒開発に不可欠な表面構造を原子レベルで提示することを目標とした。より具体的には、PEFCアノード触媒材料としてIrとその合金系を選択し、分子線エピタキシ(MBE)法やアークプラズマ堆積(APD)法を用いて、Ir単結晶表面合金のような構造規制された表面をアノード触媒モデルとしてドライプロセス合成し、走査型電気化学顕微鏡(SECM)を用いてそのHOR活性とH2O2生成特性を評価して、反応メカニズムを明らかにすることを狙った者である。 R3年度の単味Irの基本低指数面(111),(110),(100)表面の示すHOR活性とH2O2生成特性の評価結果に基づいて、R4年度にはIr(111)単結晶基板に対して、基板温度を制御してRuを真空堆積して作製したIr-Ru(111)モデル触媒表面系のアノード触媒特性を検討した。その結果、低速イオン散乱分光分析結果から試料最表面のRu / Ir原子組成は、試料作製熱処理温度に依存し、1 : 1 (673 K), 1 : 2 (773 K), 1 : 4 (873 K)であることを見いだした。HORは、最表面のIr2 や Ir3アンサンブルサイトが担うことがわかった。一方H2O2生成特性に関しては、Ru単結晶(0001)面では活発に生成するのに対して、Ir-Ru(111)ではSECMの検出限界以下であり、最表面IrサイトがH2O2生成抑制に寄与することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、単味のIr(hkl)(hkl;111,110,100)単結晶基板上に、異種元素をMBE、APD法などのドライプロセスを用いて超高真空中において蒸着し、Ir系の構造規整合金表面を物理構築した上でそのアノード特性(HOR活性およびH2O2生成特性)を電気化学顕微鏡(SECM)で評価解析し、Pt(hkl)系に関する先行研究と比較し、単味Ir表面の特性を明確にすることを目指した。 R4年度においては、主としてIr-Ru系合金表面を評価対象とし、Ir(111)表面を超高真空中で清浄化後、Ruを堆積基板温度を制御して堆積して作製したIr-Ru(111)表面のHORおよびH2O2生成特性をSECM評価した。その結果、低速イオン散乱法(LE-ISS)で評価した表面Ir/Ru組成比とアノード触媒特性に相関が認められ、HORに関しては、Ir2 や Ir3アンサンブルサイトが重要であり、またH2O2生成に関しては、Ir/Ru組成比によらずSECMの検出限界以下であり、最表面のIrサイトがH2O2生成抑制に寄与することを明らかにすることができた。従って、おおむね概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
Pt-Ir(111)表面系を気相合成し、電気化学走査顕微鏡(SECM)を用いて、H2O2生成に対応する反応電流と水素酸化反応(HOR)速度定数k0に基づいて、アノード特性とPt/Ir最表面組成比およびPtとIrの化学結合状態に着目して、反応メカニズムを検討する。
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