研究課題/領域番号 |
21H01646
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河口 智也 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (00768103)
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研究分担者 |
市坪 哲 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (40324826)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
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キーワード | マグネシウム蓄電池 / ハイエントロピー酸化物 / 岩塩型構造 / 蓄電池 / 拡散 / パーコレーション / 酸化物電極材料 / 二次電池 / 酸化物正極材料 / 微細組織構造 / ハイエントロピー / 酸化物正極 / 微細組織 |
研究開始時の研究の概要 |
リチウムイオン電池などで用いられる遷移金属酸化物正極材料では,整合界面を有する微細な複相から構成されるナノドメイン微細組織をもつ材料が優れた比容量を示す.ナノドメイン微細構造は,多数の元素を固溶した結果得られるハイエントロピー効果により,柔軟に制御できる可能性がある.そこで本研究では,ナノドメイン微細構造を用いた高容量化機構をより広範な材料群において利用するために,酸化物正極材料におけるハイエントロピー効果が,相分離・固溶挙動,微細組織形成機構,そして電極性能に与える影響を,実験と理論計算の両面から明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では,蓄電池に用いられる酸化物電極材料に対して,多数の元素を固溶した際に現れるハイエントロピー効果の利用法,並びに電極性能に対する影響を調査した.本研究では特に資源に限りがあるリチウム元素を使用するリチウム蓄電池の代替となることが期待される,資源として豊富なマグネシウム元素を用いたマグネシウム蓄電池の酸化物正極材料を中心に上記の課題に取り組んだ.ハイエントロピー効果を利用することで,マグネシウムイオンの挿入脱離が期待できる組成で,狙いの構造を有する材料の合成に成功し,その作動を実証した.また,その動作機構を明らかにすることで,高性能のマグネシウム蓄電池正極材料の開発指針を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究より,マグネシウム蓄電池の酸化物正極材料はマグネシウムを挿入できるものの,初期の構造から岩塩型構造に相転移することが知られていた.岩塩型構造は陽イオンが密に詰まった構造であるため,もともと酸素副格子との相互作用の強い二価のマグネシウムの脱離は非常に困難であり,繰り返し充放電特性の悪化の原因となっていた.本研究ではそのような岩塩型構造を有する正極材料をあえて合成し,その活性化機構を明らかにした.この活性化機構は材料科学的に有意義であるだけでなく,ポストリチウムイオン電池として期待されるマグネシウム蓄電池の実現に貢献し,ひいては持続可能社会実現に資する結果であると考えられる.
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