研究課題
基盤研究(B)
低弾性率型の生体材料として重要なbcc構造を有するチタン(Ti)合金にて形成される六方晶構造のオメガ相は、本来は避けるべき弾性率増加を引き起こすため、その形成かつ抑制機構に対する理解が、低弾性率化の実現に不可欠である。最近、研究代表者は、低弾性率化のためにbcc構造を不安定化したTi合金において、「統計力学的な凍結組成ゆらぎが、ナノスケールの局所的なオメガ相変態を誘起する」という現象を発見した。本研究ではこの特異なオメガ変態挙動を熱・統計力学および相転移組織学等に基づいて解明し、その上で組成ゆらぎ制御によってオメガ相形成を抑制した生体用Ti合金の新規な低弾性率化手法を構築する。