研究課題/領域番号 |
21H01660
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂入 正敏 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (50280847)
|
研究分担者 |
大谷 恭平 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究職 (20828280)
五十嵐 誉廣 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究職 (70414555)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
|
キーワード | 金属カチオン / 耐食性表面 / 計算科学 / 電気化学 / 表面分析 / 電気めっき / 腐食 / 第一原理計算 / 不働態皮膜 |
研究開始時の研究の概要 |
塩化物イオン濃度やpHが同じでも溶液や環境中に微量の亜鉛イオンやアルミニウムイオンのような金属カチオンが存在することで金属材料の耐食性が大きく変化すること,このような金属カチオンは腐食抑制剤の能力を飛躍的に向上することを見いだしている。この機序を用いる省資源の耐食性材料の開発を目指している。そのためには,金属カチオンによる耐食性向上のメカニズムを解明する必要がある。本研究では,金属カチオンによる不働態皮膜の耐食性向上メカニズムを電気化学,表面分析や計算科学(第一原理計算)により解明すること,その機序を利用する鉄鋼材料の新規耐食性表面創製法を開発を行う。
|
研究成果の概要 |
材料の水溶液環境における防食は,資源や炭酸ガス排出量削減のために重要である。環境中に存在する微量の金属カチオンを用いる金属材料の新規防食法について研究を行った。亜鉛イオンは多くの合金において有効な腐食を抑える腐食抑制剤であることを明らかにした。電気めっきと低温・短時間の熱処理で亜鉛イオン供給層を形成すると,鉄鋼材料の腐食をめっきままより効果的に抑制できること,金属カチオンは腐食抑制剤の防食能を数倍に高めることを明らかにした。表面分析から導出した金属カチオンの防食機構を第一原理計算(コンピューシミュレーション)により確認した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属材料は現代社会に不可欠であり素材産業の中心であるが,多くの使用環境中で腐食する。産業事故の約3割は腐食に起因するとされるため,腐食を防止(防食)することは,資源やや炭酸ガス排出量削減につながる。防食に使用する材料も省資源化が望まれている。本研究の成果は,従来より省資源,省エネルギーかつより効果的に金属材料の防食を可能にするため,持続可能な社会に大きく貢献する。腐食は材料と環境が相互に影響しあう複雑な界面化学反応であるため,今回の成果は,腐食科学と界面化学,計算科学において新たな知見を与えるものである。
|