研究課題/領域番号 |
21H01672
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中野 博昭 九州大学, 工学研究院, 教授 (70325504)
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研究分担者 |
大上 悟 九州大学, 工学研究院, 助教 (90264085)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | 亜鉛 / ジルコニウム / 電析膜 / 複合膜 / 耐食性 / パルス電解 / 電解 / 腐食電流 / 複合電析 / バナジウム / 加水分解 / 水素発生 / ポリエチレングリコール / 浴温 / 電流密度 / Zn電析 / 活性金属 / ナノ微粒子 / 非懸濁溶液 / 酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
1) ダブルパルス電解法,電流走査法により,電流密度を制御することにより電析膜の膜厚方向で活性金属酸化物の含有率を周期的に変動させる多層膜および酸化物の含有率を連続的に変化させる傾斜組成膜の作製条件を確立する。 2) Zn-活性金属酸化物の多層膜および傾斜組成膜を有する複合電析鋼板の耐食性を評価し,犠牲防食能と耐久性に及ぼす皮膜構造の影響を明らかにする。更に耐食性,耐摩耗性,加工性,塗装性,外観等の諸特性の観点から,最適な電析膜の構造を明確にする。 3) PEGの分子量,活性金属が加水分解するpH,活性金属酸化物のζ電位等の各種因子について,活性金属酸化物の共析挙動に及ぼす影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ZrO2+を含む非懸濁液から各種電解法によりZn系複合電析膜を作製し,その微細構造および耐食性を調査した。定電流電解では,Zr化合物を含む電析物が粗大化しており,その析出は不均一であったが,高電流と低電流を繰り返すダブルパルス電解では,Zr化合物を含む細かな粉状結晶が析出した。Zr化合物は,電析膜の表層に濃化したが,ダブルパルス電解では,電析膜の内部にも共析した。3 mass% NaCl水溶液中における腐食電流密度はダブルパルス電解により作製した皮膜が最も小さかった。ダブルパルス電解では,Zr化合物の表面被覆率が高くなり,溶存酸素の還元反応が低下するため,腐食電流密度が低下した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,難溶性の固形分散粒子を含まない非懸濁溶液から定電流電解,パルス電解,ダブルパルス電解法において電析条件を変化させることにより,電析Zn膜中の活性金属水酸化物の分布状態を制御するものであり,従来の複合電析とは全く異なり新規性が高い。表層に活性金属水酸化物を濃縮させれば表面硬度を上昇させ,耐食性のみならず耐摩耗性,摺動性,潤滑性,加工性,耐傷付性,抗菌性など新たな膜特性の発現も期待できる。塩害環境下においても高価な高耐食性材料の代替材として安価な鋼板を使用することが可能となる点,また電解法により低コストで製造できる点で産業界へのインパクトが大きい。
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