研究課題/領域番号 |
21H01680
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 一樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00210170)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
|
キーワード | 熱伝導度 / アルミノホウケイ酸 / 溶融酸化物 / 局所構造 / 予測モデル |
研究開始時の研究の概要 |
高温融体物性の体系的理解を通し、物性値予測手法を構築することを目標とする。その一環として、アルミノホウケイ酸系酸化物の熱伝導度および熱力学的性質の発現機構の解明に焦点を当て、広範な組成での熱伝導度の測定を行い、溶融酸化物中のSiおよびB、Alの局所構造を核磁気共鳴法およびラマン分光法で調査するとともに、第一原理計算による共有結合性の評価を用いて、熱物性ならびに熱力学的性質との関係を明らかにする。このことにより、複雑組成の同融体物性予測手法の確立を行い、酸化物融体の構造面から塩基度や各成分の熱力学的性質を予測による新たな学理構築、ならびに優れたプロセス設計ツールの開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
鋼の連続鋳造用モールドフラックスの成分であるアルミノホウケイ酸(CaO-B2O3-Al2O3-SiO2)系の熱伝導度測定およびそのガラス化試料の局所構造解析を行うとともに、第一原理計算を用いて構造単位の原子間の共有結合性の定量的評価を試みた。 すべての融体において熱伝導度は温度の上昇に伴い低下し、CaO濃度、光学的塩基度と熱伝導度の明確な負の相関が示され、溶融酸化物中の熱伝導がフォノンの伝達によることが確認された。 また、局所構造と第一原理計算により得られた各結合の電子分布の平均位置を共有結合性として評価し、熱伝導度値との相関について検討を行い、予測モデルの構築が試みられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
融体の局所構造と熱物性や熱力学的性質との関係を明らかにすることにより、諸特性の発現機構を体系的に理解することにより、複雑組成の物性予測手法を確立することができれば、現状では試行錯誤の域を出ないプロセス設計に対して、目的の特性から組成を決定する革新的なツール開発への発展が期待される。また、構造と各成分の熱力学的性質の相関についてはほとんど情報がなく、本研究で得られるデータは新たな学理構築に資する可能性を有している。 本研究成果は、特に本研究で念頭にある鋼の連続鋳造プロセスにおいて、モールドフラックスの高温における熱伝導度の厳密な制御への指針となる。
|