配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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研究実績の概要 |
CO2を利用した超臨界溶体急速膨張法(RESS法)による有機製膜に及ぼす操作因子の影響解明を実施した。具体的には,2-デシル-7-フェニル[1]ベンゾチエノ[3,2-b][1]ベンゾチオフェン(Ph-BTBT-10)を用いて,1) 基板表面状態[種々の自己組織化単分子膜(SAM)による基板表面処理]と2) 薄膜のアニール処理(熱処理),の影響を調査し,有機薄膜機構解明に繋がるデータ蓄積を行った。まず,1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(HMDS),トリクロロオクタデシルシラン(ODTS)またはトリメトキシ(1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシル)シラン(FAS)によるSAM処理を行ったSiO2/Si基板上にRESS法で薄膜を創製し,薄膜特性と電気的特性[薄膜トランジスタ(TFT)性能]に与える影響を調査した。その結果,SAM処理基板上の薄膜は結晶粒が不明瞭であり,薄膜表面はHMDS処理とODTS処理では同程度の平滑性であるが,FAS処理では平滑性が低いことがわかった。また,薄膜の結晶構造は,HMDS処理では単分子層構造,ODTS処理では単分子層構造と二分子層構造の混在状態,FAS処理では二分子層構造であることを示した。作製したTFTのキャリア移動度は,ODTS処理(7.2 cm2/V・s),FAS処理(4.4 cm2/V・s),HMDS処理(3.0 cm2/V・s)の順序であった。さらに,創製薄膜に温度373, 393または413 K,時間10分のアニール処理を行った場合,結晶粒界が不明瞭化(結晶粒同士の合一)し,結晶構造が全て二分子層構造に変化するが,TFT性能への影響はSAM処理により異なることを明らかにした。特に,393 Kでアニール処理を行った薄膜を用いたOTFTの性能が最も高く(7.2 cm2/V・s),413 Kでは低下することがわかった。
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