研究課題/領域番号 |
21H01690
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡邉 哲 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80402957)
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研究分担者 |
平出 翔太郎 京都大学, 工学研究科, 助教 (60853207)
宮原 稔 京都大学, 工学研究科, 教授 (60200200)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | Metal-organic framework / ゲート吸着 / 構造転移 / 自由エネルギー解析 / 原子間力顕微鏡 / Soft MOF / AFM / 速度論 / エネルギー障壁 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,構造柔軟性を持つ多孔性配位錯体(Soft MOF)が示す,分子吸着が誘起する構造転移挙動を対象に,速度論的特性の解析手法確立とその機構解明を目指す。速度論的検討における本質的な困難は,対象とする構造転移挙動がエネルギー障壁を乗り越える活性化過程を伴う現象であり,確率論的な性質を有する点にある。そこで本研究では,構造転移に伴う応力を原子間力顕微鏡を用いて直接測定し,それを積分することで自由エネルギープロファイルを得るという速度論的解析を提案する。提案手法による解析を通じて,構造転移の速度論的挙動を記述可能な工学モデルの構築を試みる。
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研究成果の概要 |
ソフト多孔性錯体は,ゲート吸着と呼ばれる構造転移に伴うステップ状の吸着量変化を示す。構造転移に伴う吸着挙動は粒径依存性が報告されている。吸着挙動の粒径依存性を解明するには単一粒子の構造転移を捉えることが重要だが,従来の吸着等温線測定では,粉末の平均化された挙動しか測定できない。そのため,単一粒子レベルでの構造転移に伴う吸着挙動の測定手法が求められている。そこで本研究では,原子間力顕微鏡を用いて,ソフト多孔性錯体が示すゲート型構造転移を強制的に誘起し,単一粒子のゲート型構造転移挙動の実測を試みた。得られた斥力プロファイルを熱力学的に解析することで,一粒子ごとのゲート脱着挙動の実測に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ソフト多孔性錯体は,二酸化炭素の高効率回収などカーボンニュートラルの実現に向け,主要な役割を担い得る新規な吸着材料である。本研究では,このソフト多孔性錯体が示す特殊な吸着挙動の解明に向けて,平均的な挙動ではなく,単一粒子の挙動を明確にすることで,解像度の高い現象理解が可能となった。この成果は,今後の吸着分離プロセスへの実装に向け,基礎となるデータとなることが期待される。
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