研究課題/領域番号 |
21H01695
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 元 九州大学, 工学研究院, 教授 (40336003)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 混相流 / 多孔質構造 / 電気化学 / 粒子制御 / 直接計測 |
研究開始時の研究の概要 |
各種電池や分離システムでは粒子堆積状多孔質層が主に用いられている。これらの多くは溶媒中に粒子を分散させ、そして塗布乾燥させる「湿式法」で形成されている。しかしながらその内部の多孔構造はこの一連の操作条件の僅かな差で大きく変化し、制御が困難であり、勘と経験に現状依存している。そこで本研究では、従来にないプロセスとして湿式法の中間工程で電場を印加することで、気泡発生制御、粒子凝集制御、親疎水性制御を精密に行う技術構築を目指し、そのためのこれら現象解明を進める。本研究により多孔質体の特性取得と構造設計の高度化を図ることができ、各種デバイスやシステムの性能向上に貢献することができる。
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研究成果の概要 |
各種電池デバイスにおいて多孔質層が用いられているが、その湿式製造プロセスにおいて、多くの外的要因に左右されるため、その緻密な構造制御に未だ至っていない。この解決のために本研究者は電位印可による気泡発生を考え、気泡発生および輸送挙動と多孔質構造の相関を実験により明らかにし、また固体高分子形燃料電池を対象に、その有効性を検証した。さらにモデル構造を用いた数値計算による検証も行った。その結果、気泡鋳型を用いた多孔構造制御は電池デバイスにおける物質輸送性向上に有効であることが示唆された。これまで均一多孔質体が有効と論じられてきた本分野で重要な知見を与えるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
連続生産中の電位印加の方法や、発生ガスの回収などを克服する必要があるが、本研究成果は従来の湿式プロセスの改善に貢献できると期待できる。つまり、均質な多孔構造の形成を狙いとするのではなく、その後の操作環境における、イオンやガスの輸送特性を考慮すると、意図的に不均一な構造が望ましいことを示唆している。これまでの経験に基づき条件選定がなされてきたプロセスにおいて、新たな能動的な制御法を提案するものである。
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