研究課題/領域番号 |
21H01698
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中川 紳好 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (70217678)
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研究分担者 |
石飛 宏和 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (00708406)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 電極触媒 / 燃料電池 / ナノ材料 / 複合体構造 / 多孔質カーボンナノファイバー / 触媒担体構造 / 多孔質ナノファイバー / メタノール酸化反応 / 電極過電圧 / 酸化グラフェン |
研究開始時の研究の概要 |
2次元シート状の還元酸化グラフェン(rGO)を担体としたPt系触媒(2D触媒)は高いメタノール酸化活性を持つが、自身の積層化による緻密化が問題で、従来の調整法では有効な燃料電池触媒層が形成されないという問題がある。本研究では、積層体として、薄層で適度な多孔性を持つ理想的な燃料電池触媒層を実現する高活性2D触媒の開発を目指す。具体的には、凍結乾燥に熱処理を加えた新たな調整法により積層化を抑制し、正の相互作用をもたらすナノ粒子との複合化により2D触媒の機能を最大限に発揮した高活性な触媒と燃料電池触媒層を開発する。これを燃料電池に適用し、世界トップの燃料電池出力密度の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
rGO担体のみを用いての触媒層構築は困難と判断し、次のアプローチとしてカーボンナノファイバー(CNF)にメソ孔を形成した多孔質CNFを担体に用いる検討を開始した。 (多孔質CNFの調製) ポリアクリロにトリル(PAN)をカーボン前駆体に用いた静電紡糸法において、前駆体に開孔材として水およびポリスチレン(PS)を混合させる方法を考案し、開孔材およびその混合比、溶媒濃度が得られるCNFのモルフォロジーに及ぼす影響を調査した。水の場合、CNF表面に凹凸が形成されたがメソ孔を得ることができなかった。PSの場合、PAN/PS=1(質量比)において直径20nm程度の長さ方向に連続したメソ孔が形成できることが分かった。窒素吸着法で測定した比表面積も170 m2/gから530 m2/gに増大した。FE-SEMでの観察結果から、CNFの外表面につながるオープン孔の形成も確認できた。この条件で作製した多孔質CNF(p-CNF)を担体とし、PtRu/p-TCCNFを著者らの方法で調製した。 (多孔質CNFのMOR活性) 得られたPtRu/p-TCCNFについてECSA測定とMOR反応活性の測定を行い、従来のPtRu/TCCNFおよび市販のPtRu/Cと比較した。ECSAについては、PtRu/p-TCCNFは105 m2/g-PtRu とPtRu/TCCNF(91)やPtRu/C(63)に比べて高い値が得られた。メソ孔ができたことで担持可能な表面積が増えたことにより、触媒粒子の凝集が防がれ、利用率が向上したと考えられる。PtRu/p-TCCNFのMORの質量活性はPtRu/TCCNFに比べて約1.5倍、PtRu/Cの約3倍の高い値が得られた。CNFを多孔質化することによってECSAとMOR活性を大きく向上させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響および実験装置の不具合により、研究の進捗が7ヶ月ほど遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
PtRu/p-TCCNFを適用したMEAを作製し、DMFC発電特性と触媒層構造との関係を調査する。従来、CNF触媒層は嵩高い構造となり、層厚さが大きくなることで触媒の利用率が低下する問題があった。一方、開発した多孔質CNFを利用することで、触媒の担持密度を増大できることから、触媒層の厚さを低減できると考えられる。p-TCCNFに対するPtRuの担持割合を変えた触媒を調製し、それらを用いてMEAを作製し、DMFCの発電特性を測定する。また、SEM等により触媒層構造の観察、空隙率や厚さ等の構造パラメータを明らかにし、発電特性との関係を明らかにする。そして、高出力DMFCの実現を目指す。
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