研究課題/領域番号 |
21H01702
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 徹也 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10432684)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | メラミンフォーム / ガラスビーズ / 反応器 / 空隙率 / 重合反応 / ナノ粒子 / 界面活性剤フリー / ソープフリー乳化重合 / 紫外線照射 / 低環境負荷 / 紫外線重合反応 / 収率 / 熱運動 / ブラウン運動 / 三次元網目構造 / マイクロフォーム / 流動抵抗 / 高分子微粒子 / 反応器設計 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬,複合材料分野で活躍する高分子微粒子のナノサイズ化には,凝集成長を抑制するため,反応器に多量の界面活性剤を添加している。これは環境汚染の観点から,解決すべき重要課題である。本研究では,持続可能な発展を念頭に界面活性剤を使わずに高分子微粒子をナノサイズ化する技術を開発する。すなわち反応器内部に粒子成長を阻止する構造を導入する。具体的には,内部にマイクロオーダーの孔をもつ三次元網目構造のスポンジを反応器として用いる。この網目構造と溶媒間の相互作用を強化して溶媒分子の熱運動を抑え,反応器内の生成初期粒子のブラウン運動とそれに伴う凝集成長が抑制され粒子のナノサイズ化が達成できる。
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研究成果の概要 |
反応器内部に三次元網目マイクロ構造または充填物を導入しマイクロ・ナノ空間を創成した。この空間では溶媒の対流が反応器内部の壁面の効果で抑制され,重合反応により析出した粒子の運動量が減少する。すなわち対流による粒子同士の衝突頻度が減少するので,凝集による粒子の成長が阻害されることになる。その結果,界面活性剤フリーで高分子微粒子のナノサイズ化に成功した。これらのナノ粒子のサイズは反応器内部の空隙率でコントロールすることが可能である。例えば,三次元網目マイクロ構造の場合,メラミンフォームを圧縮する,充填物の場合,充填物のサイズを小さくするといった操作で粒子径が制御できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノ材料の開発が盛んに行われているが,それらを合成する反応器の最適化が進んでいない。本研究ではナノ材料の合成に適した反応器,たとえば充填物を利用したマイクロ・ナノ空間を反応場にすることで,従来の反応器が与える環境負荷を低減することができる。また,材料のサイズ制御技術もマイクロ・ナノ空間をコントロールすることで可能になることを示した。今後,本研究により反応器の最適化,原料の供給法の最適化など,従来になかった観点でナノ材料の合成法の開発が進み,科学技術の発展に貢献するものと思われる。
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