研究課題/領域番号 |
21H01707
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平井 隆之 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (80208800)
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研究分担者 |
白石 康浩 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (70343259)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 次亜塩素酸 / 金属ナノ粒子 / 含塩素半導体 / 光触媒 / 塩水 / 空気 / 太陽光 / 人工光合成 / 半導体光触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽光エネルギーにより、常温・常圧下、塩水と空気を原料として次亜塩素酸を合成する新光触媒を開発する。プラズモン金属ナノ粒子/含塩素半導体からなる相界面への可視光照射により、金属ナノ粒子上に生成したホットホールを含塩素半導体に注入する。ホールによる骨格塩素イオンの酸化と、溶液内塩素イオンによる骨格塩素イオンの補填を連続的に進め、次亜塩素酸を効率よく合成する革新的光触媒を開発する。これらの研究を通して、持続可能エネルギーにより、入手容易な塩水と空気から殺菌剤・消毒剤として不可欠な次亜塩素酸を簡便に合成する新技術の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
塩素含有半導体である塩化銀(AgCl)に、金(Au)粒子を担持したAu/AgCl触媒を合成した。Au粒子は局在プラズモン共鳴にもとづく可視光吸収により、ホットホールとホットエレクトロンを生成する。本触媒を塩水に懸濁させ、空気存在下で可視光を照射する新たな次亜塩素酸(HClO)合成が可能であることを見出した。可視光吸収によるAu粒子のプラズモン励起により生成したホットホールによりAgClの骨格塩素イオンが酸化されHClOを生成し、溶液中の塩素イオンが補填するメカニズムにより本反応が進行する。触媒合成、光触媒活性、メカニズムの解明を進め、本技術の人工光合成技術としての可能性を評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属ナノ粒子/含塩素半導体ヘテロ相界面反応場を利用して、可視光照射下、塩水と空気から高効率にHClOを合成することが可能であることを見出した。可視光照射下でHClOを合成する光触媒は初めての報告であり、プラズモン光触媒の開発と高活性化に向けた新たな方法論と言える。また、塩素含有半導体の自己酸化と塩素イオンの補填を基盤とした新たな触媒開発を先導する研究成果と言え、人工光合成研究を牽引するはずである。持続可能エネルギー(太陽光)により、入手容易な原料(塩水と空気)から殺菌剤・消毒剤(HClO)をオンサイトで合成する本成果は、クリーン社会実現に向けた学問的・社会的インパクトの大きな成果と言える。
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