研究課題/領域番号 |
21H01708
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
福岡 淳 北海道大学, 触媒科学研究所, 特任教授 (80189927)
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研究分担者 |
小林 広和 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30545968)
宋 志毅 北海道大学, 触媒科学研究所, 准教授 (80600981)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | セルロース / 固体触媒 / 結晶 / バイオマス / 加水分解 |
研究開始時の研究の概要 |
地球上で最も豊富に存在するバイオマスであるセルロースを再生可能資源として利用するために、天然の結晶セルロースをそのまま加水分解できる固体触媒を創生する。これまでに報告されている固体触媒はいずれも結晶セルロースを加水分解できないが、酵素には分解できるものが存在している。これは、従来の固体触媒設計では見落とされてきた因子が存在することを意味しており、これを明らかにする。本研究で行う新規固体触媒設計により、結晶セルロースの加水分解を実現するとともに、その欠けた因子を解明して新たな固体触媒の創出を可能とする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、結晶セルロースを加水分解できる固体触媒を開発し、加水分解反応機構を明らかにすることである。ピレンとフタル酸部位をもつ3種の化合物を合成・構造解析を行い、結晶セルロースの加水分解反応を行った。水中、150℃で反応させるとグルコースが生成した。ピレン部がセルロース表面に吸着した後にカルボキシ基が弱酸点となって加水分解を進行させたと考えられる。またフタル酸部位の自由回転により、カルボキシ基がグリコシド結合に接近しやすくなるために加水分解が促進すると考察した。よって、セルロースの結晶部が加水分解されたことになり、人工的な化学触媒によるセルロース糖化の実証例となることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球上で最も豊富に存在するバイオマスであるセルロースを再生可能資源として利用するために、天然の結晶セルロースをそのまま加水分解できる固体触媒を創生した。本研究ではピレンとフタル酸部位をもつ3種の化合物を設計・合成し、結晶セルロースの加水分解を行うとピレン部がセルロース表面に吸着した後にカルボキシ基が弱酸点となって加水分解を進行させることが分かった。またフタル酸部位の自由回転により、カルボキシ基がグリコシド結合に接近しやすくなるために加水分解が促進することが明らかとなった。これにより、人工的な化学触媒による結晶セルロースの糖化を初めて実現した。
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